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「お帰りなさい」
会社に戻ってきた大友京香が1階のロビーを通りすぎると、受付にいた二人の女性社員がそう声をかけてきた。
彼女たちは受付嬢で、さわやかな桜色の制服を着ていた。
デザイン的にはオーソドックスだが、首にスカーフを巻いているのがいかにも受付嬢らしい雰囲気を漂わせている。
二人とも25歳くらいの年齢だが、特に右側の女の子は可愛らしい顔立ちをしていた。
男なら、彼女の笑顔を見たら、きっと癒やされるに違いない。
しかし、女である京香はそれほど楽しい気分にはなれなかった。
逆に、その若さに嫉妬してしまった。
この会社はとにかく来客が多く、クライアントが来社する場合もあるため、受付嬢を配置してきちんと対応させていた。
確かに、受付嬢は会社の顔だ。
客に失礼があっては問題だし、会社の組織などもよく知っていなければ、正しい部署に取り次ぐことが出来ない。
--真島雄二