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許されざる背徳の交わりは禁断の蜜の味がする。
同じ家で暮らす良き夫良きパパである義兄は、俺にいじめられたいと望むM男でもあった。
「もっとたたいてくれて、いいんだ」
同じ家で暮らす義兄。婿入りして家業のうどん屋で働くものの、
不器用で愚鈍な義兄は俺の家族から疎まれる存在だった。
しかし、初めて姉が連れてきた時から、俺は義兄を男として意識していた。
しかし、男にはまったく興味もなさそうな態度を見るにつけ、
叶わぬ想いだと、胸の底に沈めるようになっていた。
そう、男を好きな男たちが集まる場所で偶然に会うまでは。
初めは、間違いが起こっただけだと思った。
どんなにうちの家族から疎まれていようとも、姉が愛している旦那さんで、
可愛い甥姪たちのよきお父さんでもある。
そんな義兄と、家族が暮らす家の中で淫らな関係になるなんて!
しかし義兄は、俺を求めてくるようになる。
みんなが寝静まった夜中に俺の部屋に忍んで来たり、
俺だけしか家にいない時間帯に仮病を装って帰って来たり。
頭では止めなければならないと分かっているのだが、
俺を見つめる熱っぽい眼差しに、つい流されてしまいそうになる。
そんな自分を押し止めようと振り払った手が義兄に当たった時、
その眼差しにさらに熱が籠ったことに気がついた。
そして熱い眼差しで義兄は呟く。
「たたいて欲しいんだ、殴ってくれたっていい。いじめてもらえれば、俺…」