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一発当てた後、ジリ貧の我輩の弱みに付け込んで僕を手篭めにした山那はしかし、俺のことが好きだというところだけは本当だったようで、俺の稼ぎの足しになるような企画を山那なりに真剣に考えてくれたらしい。
その結果が、えっ? 握手券付きの本の出版?
おいおい、それってもう使い古された手だし、俺みたいなのがそんなんやったって意味無いし赤(字)しか出ないでしょ。
って、思ったのだが、その企画の肝は『握手券をたくさん集めると、できることがクレードアップする』というところにあった。
100枚でなんと! いやいや、安過ぎるでしょ!? そんなこんなで『1,000枚でアレ』、という想定に。
もちろんそんなこと公の場では一切口に出さなかったんだけど、……来ちゃった。
想定を大きく超える、文字どおり桁が一つ違う、10,000枚の握手券。
しかも、数も想定を超えてきたならば、要求もその想定を超え……
握手券 一万揃えば 撮影付き
いや、ちょっと待って、それは流石に、って、なんで山那がノリノリやねん!
約28K文字、A6文庫サイズPDFで98Pです。
(体験版では第一章28ページまでご覧になれます。レイアウトの確認等にご利用ください。)