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これで、何もかもが終わったと思った。
白熱する聴衆たちの眼前で、繰り返し繰り返し、犯され、嬲られ、貶められ――。
代わる代わるの○辱によって、気高い理性は剥奪されて、勇者の誇りは見るも無残に踏みにじられた。
複数の雄オーガたちが、生殖器を隆々と屹立させる群れの中、自分ひとりだけが『雌』へと堕落させられた現実の只中で、ディルトは苦悶し、それと同時にそれ以上の恍惚と快楽を貪った。
単なる性処理器官へと成り下がる事を強要され続けた肉体は、徹底的に教え込まれた肉欲と性感を忘れない。
成熟した雄の身体の奥深くへと植え込まれた快楽の種は、飢えた獣たちの蹂躙によって発芽すると、それはディルト自身の淫欲を糧にして、天に向かって茎を伸ばした。
高く、高く、太く、太く――。
ディルトの体内で芽吹いた淫らな双葉は、見る間に高々とした一本の樹木へと姿を変えて、それはやがて、巨大な華を咲かせるまでに成長した。
育ち切った樹木の頂で、張り詰めた蕾はオーガたちの濃密な愛撫と律動を栄養に、ゆっくりとその花びらを広げていく。
こうして、ディルトの体内で密かに発芽した小さな息吹きの片鱗は、長く、永い一瞬を経て、雄の欲望の具現そのものな、分厚く、じっとりと湿る花びらを持った、淫華へとその姿を変貌させたのである――
。
もはや自分自身では制御する事も、抗う事も、それどころか目を背ける事さえ困難な現状を前に、ディルトは狼狽し、悲嘆し、絶望した。
もう、どうすればいいのか分からなかった。
生まれて初めてだったのだ。
ここまで、鮮烈で、衝撃的で、そして狂おしい雄としての本能と充足、そして泣き叫びながら懇願したくなるほどの、根底からの切望を知ったのは。
筋肉の張り詰めた分厚い腰を揺すられて、繁殖欲の満ち満ちたオーガたちに犯されている間中、彼の肉体と精神は、とても口には出せぬような渇望と、恥ずべき恍惚にもみくちゃにされながらむせび泣いた。
こんな事、甘んじて受け入れていいはずが、ない――!!
勇者として、そして一人の人間の男として、理性が決死の否定を訴えるすぐ横で、理性とは隣り合わせの雄としての根源的な本能が、全てを飲みこむほどの声量で、高らかに、重く、低く吼え上げる――。
悪夢は終わってなどいなかった。
否、ここから始まるのだ――。
CLUB-Zによるカラー挿絵6枚(差分含め10枚)
モノクロラフスケッチ10枚
ラフマンガ15ページ
セリフ付カラー10枚収録