欠け落つふたり 地の底のしあわせ

村の有力者・楪(ゆずりは)家の跡取り息子、壱生(いっせい)のもとに嫁いだ娘。
しかし婚姻間もなくのうちに戦争への召集令状が届き、夫は戦場へ。
一年後、帰ってきた夫はまるで別人のように気性が荒くなり、娘を強く拒むようになる。
それもそのはず、彼は生まれてすぐに地下深くへと幽閉された壱生の双子の弟、”弐”であるからだ。
本物の壱生は戦場で手足を失い、変わり果てた姿となって地下に幽閉されていた。
変わり果てた壱生のことを弐は溺れるように愛し、彼の性器へ手を伸ばす―――

「生まれる前からずっと、俺だけのもんだ」

双子/兄×弟/リバあり/狂愛/退廃/背徳/インモラル/欠損/当て馬女あり
総文字数:13538文字

弐(に)
双子の弟。「双子は災いを呼ぶ」という言い伝えによって、生まれてすぐに地下へ幽閉された。壱生のことを「イチ」と呼んで深く愛する。

楪壱生(ゆずりはいっせい)
双子の兄。弐に自慰行為を教えたことをきっかけに、兄弟でありながら身体の関係を持つようになる。

壱生の妻
何も知らず壱生のもとに嫁いだ村娘。