【小説版】空蝉の桜 -見世物興行譚- 春の章(壱)

  • 【小説版】空蝉の桜 -見世物興行譚- 春の章(壱) [Two Second Kill Crew]
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【小説版】空蝉の桜 -見世物興行譚- 春の章(壱) [Two Second Kill Crew]
Date de sortie 06/12/2015
Série 空蝉の桜 ―見世物興行譚―
Âge
Tous âges
Format du produit
Format de fichier
PDF
Autre
Langues prises en charge
Nombre de pages 20ページ
Genre
Taille du fichier
647,98KB

Résumé du produit

ハイヨー、ハイ。ややや、そこ行くご婦人に旦那はん。はいはい、ちょっと寄っていきませんか? 今日の夜は此処で一つ一興お見せしましょう。ハイヨ、入った入った。
彼は本当に人の子か? 気が付いたらね。自分の母様分からず、その腹蹴破って出てきて、ハイ。そんな子、産まれないように、見て行ってよ。最初は鬼か人かと家の者は吃驚仰天。災厄をもたらすと鬼は地下に封じられておりましたが、なんと生きております。ちゃんと動いて生きてますよ。エエ、見たこと無いでしょ? 髪も肌も真っ白なら、目だけは赤。これは本当に妖の類か? ほらもうすぐ登場よ。はいはい、入った入った。
まだ前詰めれますからね。お代は後で結構。
ハイヨ、大丈夫ですよ。大丈夫。何もしません、舞台の前まで、しっかりと見えるところで見て行ってよ、ハイヨー、ハイ。さあ、このベルの音がピタリと止みましたら開幕ですよ。
さあさあ、お待ちどうさま。本日の花形。まだここに来て日が浅いというのに、これだけお客さんの心をつかんでしまう。期待の新人ですよ。最後の最後大一番に、さあ見て観て。これが本当に人の子か? おぎゃあと産声上げた時には、もうすでにこの容姿。鬼の化身とおそれられ、流れ流れてこの小屋に先日やってまいりました。ああ、可哀そう。可哀そうと思うならもっと見て行って。大丈夫ですよ、何もしません。見るだけでいいからね。こんな子供、親族に生まれなくて本当に良かった。さあさあ、よってよってもっと前へどうぞ――

******

■概要
大正×見世物小屋
【見世物興行譚 -空蝉の桜- 春の章(壱)】
※シチュエーションボイスドラマ「空蝉の桜 -見世物興行譚- 睦月(RJ165910)」の番外小説となります

PDF形式 20P
(15000文字程度)

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