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作品内容
サンプル
体調を崩し病院へ行っていた蒼。薬を貰いバスに乗って帰るさなか、お腹が不穏な音を立て始めた。途端にかっと頬を赤めたのを見てか、周りの視線もじわじわと蒼の方へ集まっていく。蒼はいたたまれず、薬の入った袋を抱き抱えて居心地悪そうにお尻を揺らした。
『次は、〇〇町。お降りの方は、ボタンを押してください』
ギュルル…グギュ
「はぁ……」
まだ目的の場所まで後二つ程ある。我慢できない訳ではないが、このまま我慢しきれるものでもない。変な意地を張らずにどこかで降りてトイレに駆け込んでも良かったのだが、生憎蒼は病人だった。体のだるさ、重さは本人にしかわからない。動きたくても動けないのだ。
「お兄さん、大丈夫?顔色悪いよ?」
意識がうつらうつらとどこかへ行こうとしている中で、頭の上から誰かの声がしてはっとした。蒼が顔を上げると、高身長の男がこちらを覗き込んでいる。
「ぁ、の…大丈夫、です…」
「そう?無理しない方がいいよ?このバスそんなに客もいないし、ちょっとぐらい横になっててもいいよ」