触手を飼う

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触手を飼う [ロールシャッハテストB]
판매일 2022년 11월 28일
커플링
저자 まさみ
일러스트 ツナ
연령 지정
R18
작품 형식
파일 형식
PDF
기타
대응 언어
페이지 수 27
장르
파일 용량
471.38KB

작품 내용

あらすじ

大学生の小田原瞬平はバイト帰りの橋の上で瀕死の触手を拾った。
弱った触手をほうっておけずアパートに連れ帰り、見切り品弁当のからあげを与え、様々な芸を仕込む瞬平。
友人の沢尻は瞬平が飼い始めた内緒のペットを知りたがるが、のらりくらり適当にごまかす。

とはいえ現実は非情である。
最初はキモかった触手がだんだん可愛く見えてきた頃、恐るべき「本性」を目の当たりにして……。

(触手/人外/調教/無理矢理/エロコメディ)

作者Twitterアカウント https://twitter.com/wKoxaUr47xGeAZy
@wKoxaUr47xGeAZy
(作品の裏話や情報を更新しています)

プロローグ

その日の帰り道、瀕死の触手と出会った。

俺はバイトの夜シフト帰りで疲れきっていた。あんまり疲れすぎてコンビニ弁当をチンしてもらうのも忘れた。不覚。
独り暮らし中の安アパートに帰ってもYouTubeの犬猫動画を見て寝る位しかやることがない。
俺は動物が好きだ。しかし家の都合で飼えず、いたいけな小学生の時分にはからあげと名付けたトイプードルを散歩する友達を見送り、寂しい思いをしてきたのだ。
故に大人になったら絶対犬か猫を飼おうと誓っていたのだが、予算や立地条件が折り合い付かず、大学生になった現在もペット禁止のアパートで暮らしている。

さらばからあげ、フォーエバーからあげ。

関係あるようでないが、さっき立ち寄ったコンビニで買ったのもからあげ弁当だった。賞味期限ギリギリで30%引き、ちょっとお得。こんなささやかなことで嬉しくなれるんだからなんて安上がりでめでたい人間なんだろうとあきれてしまった。
「アホくさいこと考えてねーでとっとと帰ろ」
街灯が等間隔に光る夜道を歩いていると川沿いにでた。川、といっても都会のドブ川だ。両岸と底面はコンクリートで固められ、ちょろちょろと濁った水が流れている。アパートは橋を渡ってすぐそこだ。
大学に行く時はママチャリの後ろに幼児をのっけた主婦やセーラー服の女子高生とすれ違うが、さすがに夜10時すぎると誰もいない。近くのマンションからテレビの音声がかすかに漏れてくるだけだ。
橋の上のアスファルトにはチョークで大小不規則な円が落書きされていた。近所の子どものしわざだろうか。
そういや随分ケンケンパをしてないな、と思い当たる。これでも小学生の頃はケンケンパの達人で売っていたのだ、俺の数少ない取り柄である。小学校低学年まで遡らなきゃ自慢できることがないのかよ、というまっとうなツッコミはおいといて。
「よし」
今だけは童心に戻ることを自分に許す。
くたびれたスニーカーで地面を蹴り、チョークでしるされた〇から〇へ飛び移る。
「けん・けん」
ぶにゅり、靴裏に嫌な感触がした。何だ?路上に目をこらし仰天する。
「ぱあっ!?」
白い円の中で巨大ミミズ……触手がのたくっていた。てらてらしたピンクの体表は粘膜っぽくて、生理的嫌悪をかきたてる。勢い余って尻餅を付いた。
「なんだこれUMAか!?しゃ、写真写真」
反射的にスマホを掲げ、連続でフラッシュを焚く。シャッター音にあわせ触手が伸び縮みする。SNSに投稿したらバズるかも。いや、匿名掲示板に投下するか?
様々な考えが脳裏を駆け巡るも、優先すべきは安否確認だ。
「生きてる……よな」
靴の先でおっかなびっくり突付いてみる。触手が蠢く。何だこれ、状況がまったくわからん。そもそも触手って道端に落ちてるもんなのか、交番に届けるのが正解なのか。最近の飼い犬飼い猫は迷子防止対策でマイクロチップが埋め込まれてるらしいが、コイツは野良触手なのか?
全長50センチほど、横幅は5センチ程度。ミミズと違って節はなく、表面はのっぺりなめらかだ。まず思い浮かべたのはムーミンに登場するニョロニョロ、アレをピンク色にしたら大分近くなる。
さてどうしたものか。無視して行くか。おもいっきり踏んでしまったのが少々後ろめたい。
「ええと……大丈夫?身とかでてない?」
孔の有無もわかんねえけど。
何話しかけてんだ俺の馬鹿。後悔すれども遅し、顔から火がでる。触手は相変わらず地面を這っていた。なんだか元気がない。踏んだせいかと思ったが……
戯れに手のひらをさしだすと体を擦り付けてきた。温かい。犬猫と同じ親愛表現……なのか?うっかりほだされて袋をあさり、弁当のふたを開ける。
「ほら」
からあげを一個、手掴みして投げる。直後に触手が跳びはね、上部に切り込みが入る。そこが口らしい。からあげを上手に咥えて嚥下、お辞儀するみたいに伏せをした。
「おおー……」
控えめな拍手をする。

本文サンプル

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