淫卵

麻依子はある日、奇妙なものを道で拾った。
ただの石ころのような、鉱物の結晶のようなそれに心惹かれて持ち帰った麻衣子だが、
しかしその日から毎夜淫夢にうなされるようになる。

複数の男性にかわるがわる犯される夢。
性経験どころか男性とろくに会話したことすらなかったのに、
夢の中とはいえめくるめくような快感を覚え、絶頂を繰り返す。
淫夢の虜となってしまいそうなところを踏みとどまり、
麻依子は異常を解明しようと行動すると、深夜に自分の身体を這いずる触手を発見!
そして、それはあの鉱物の塊から延びていた!!

恐怖より好奇心が勝った麻依子は、自分の身体がひどく感じやすくなっていることに気づいて、
その快感に耐えながらそのまま触手の行動を観察する。
危害を加えられるようなことはなく、敵意も感じない。
不思議とその触手に愛おしさすら覚える中、触手の先端の目と視線が合う。
慌てたように触手を引っ込めようとするのを、麻依子はそっと押しとどめた。

「あなたは誰?」

答えはなかったが、確かに心が通じ合ったような気がした。
その触手を飼うことに決めた麻衣子に、触手の淫靡ないたずらは続く。
甘んじてそれを受け入れ、
時に積極的に快楽を貪ったりもするようになっていく麻衣子は雌としての魅力が溢れだすようになっていく……。

北かづきが送る触手ファンタジー巨編が登場!!
異形の者と結ぶ友情。そして、人間社会で起きる問題……。
麻衣子と触手の関係はどうなっていくのか!?