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解像度の高い絵柄と重厚なシナリオへ、時折出没する
コミカルテイストが、後味の良い読後感を残す”長頼”
先生、”WEEKLY快楽天”で配信、”快楽天ビースト”に
て掲載された二本構成の短篇・一作品、短篇・七作品
を収録した、ワニマガジン社刊としては五冊目の単行
本。
印象に残った収録作品は、男子主人公の”佐久貴司”は、
控えのピッチャーである現状を変えようと投げ込みを
して、肩を故障させてしまい、”桐原先輩”とのセック
スに溺れ、逃避するも……な、短篇「スティグマ」。
キス止まりだった、彼女な”知花”から処女を捧げられ
た”佐久貴司”の、その後を暗示させるエンディングに、
”長頼”先生らしさが炸裂する、お話でした。
読んでいて感じたのは、時折出没する、コミカルなテ
イスト。重厚なシナリオの作風なので、緩衝材として
配置されているのですが、それが読み心地へ良いアク
セントとして機能し、小気味よいテンポを生み出して
いる様に感じました。
重厚なシナリオと、解像度の高い絵柄とが、作品世界
へ読み手を没頭させてくれる、クオリティの高い一冊。