Gたんさんのレビュー一覧

潜在的に男女逆転的要素を持つジャンルは近年増えてきました。
しかし「現実で男が女にするように、作中で女が男を大事にして攻めながら可愛がる」ということが違和感ネタではなく理想として表現されている作品は希少です。
甘々女神様やドスケベ女とは違って、真にロールの逆転を感じます。

ここに出てくる男の子達は頑張って前立腺で感じる必要もなく、愛されるための女装の必要もなく、挿入行為にこだわる必要もない。ありのままで求められ、受け身を実現できています。

特に大事なことは折に触れて「彼女が彼をリードして愛している」ことが伝わる言葉が繰り返されることです。読んでいて愛される喜びに心が満たされていき、体の快感も増します。
本作でのSMは「愛のある強引さ」を象徴するスパイスだと感じました。
これが本当の望みだという人も多いのではないでしょうか。とても気に入ったので、薄い本だけでなく電子版も購入いたしました。

前作の瑞枝さんも登場しますが、彼女との甘々プレイは割愛されるので、過去作品のような「可愛がられ系M」とは違います。
愛情ゼロで救いのない屈辱の殴打Mものと、純愛風でコミカルながら容赦ないスカトロものの2分岐です。
殴打系はシナリオが念入りで、屈辱萌えの方にはたまらないと思います。
スカトロ系は最後のモノローグまでサービス心旺盛で、ハラハラします(笑。
ただ、いずれも徹底的なため、軽い興味程度の方にはちょっと敷居が高いかもしれません。