一陣の光's Review List

”comic快楽天ビースト”2022年05月号、今月のお題は『露出』。印象に残った掲載作品は、前回のお話でバイト先の先輩でかなり年上な男性主人公と初体験したヒロインが彼に誘われて…”イゲドアハ”先生、面接が上手くゆかずコンビニで立ち読みしていた男性主人公に背後から露出したヒロインが忍び寄る…”仲町まち”先生、下校中にリモコンスイッチを拾った男子主人公が何気にスイッチオンするとクラスメイトのヒロインが奇声を上げて反応し…”水上みずや”先生などなど、読後感の良い一冊。

インモラルな設定なのに不思議と爽やかな読後感
の”鉢本”先生、”コミックバベル”へ掲載された短
篇・九作品を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、やんちゃなヒロインと
仲良くなったオタクな男子主人公。父子家庭から
自宅に帰るのがイヤで『住ませろ』と迫る彼女に
男子主人公が……な、短篇「ズッ友」。初体験後、
より関係が深くなる二人が微笑ましい、お話でし
た。
読んでいて感じたのは、インモラルな設定なのに
不思議と爽やかな読後感。本巻・巻頭を飾る短篇
「聡子と先生」では、女子生徒と男性教師という
関係性で展開するのに、少年誌的な絵柄の効果か、
陰鬱とした読み心地が巧みに回避されていて、印
象に残りました。
爽やかな読後感が記憶に残る”鉢本”先生の短篇集。

単行本のタイトル通り、ヒロインはもれなく
巨乳な”西沢みずき”先生、本巻・描き下ろし
を含む、二話構成の一作品と六話構成の中篇
一作品と短篇三作品を収録した自身二冊目の
単行本。
印象に残った収録作品は、子供の頃、サッカ
ークラブに所属していた男子主人公。その中
でも、やたら上手いヤツが、時を置いて地元
へ戻ってきたら、女子だと知って…な、短篇
「まっちあっぷ」。ルックスいいのに彼氏・
彼女のいない二人が、くっつく展開が楽しい、
お話でした。
読んでいて印象的だったのは、軽快な進行と
展開が引き出す、快適な読み心地。RPG的な
要素を巧みに展開へと取り込んだ中篇「好色」
や、前述した「まっち～」で、その軽快な読
み心地が堪能できました。
ポップな展開が魅力的な、読後感の良い一冊。

桜が満開な春到来。浮かれ気分な時はこの一冊。”comic快楽天”2022年05月号、印象に残った掲載作品は、漫研仲間な彼氏がいるヒロインと彼女のことが好きな男子主人公がそそられて入った部屋で…”えーすけ”先生、デリバリーを生業としているヒロインが男子主人公にほだされて…”翁賀馬之助”先生、周りとの壁を持っているヒロインとコンビニバイト仲間な童貞の男子主人公がダメもとで彼女を誘ったら意外にも…”ホムンクルス”先生などなど。ワニマガジン社・作家陣の、層の厚さをしみじみ感じる一冊。

”comic快楽天ビースト”2022年04月号、今月のお題は『コスプレ』。印象に残った掲載作品は、家に帰っても寝るだけな男性主人公がバニーガール姿のヒロインに声をかけられて…”すーぱーぞんび”先生、家事代行サービスを依頼した男性主人公のもとに現れたのはメイド姿のヒロイン…”kakao”先生、顧問の女性教師なヒロイン目当てに図書委員を三年間頑張った男子主人公が卒業祝いに希望したモノは…”ねこまたなおみ”先生、就職活動が上手くゆかない男性主人公がゴスロリなヒロインをお持ち帰り…”にこびぃ”先生などなど。充実の一冊。

秘めている想いを上手く表現できない語彙力
不足な登場人物が、カラダをぶつけ合うセッ
クスで意思疎通する…”ICHIGAIN”先生、雑
誌”comic快楽天”に掲載された短篇・六作品
と二話構成の一作品を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、クラスで席が近い
だけだった男子主人公と初体験したヒロイン。
その快感・快楽に『お猿化』してゆく二人を
詳細に描いた短編「肌を」。
読んでいて印象的だったのは、エロ描写の進
化。他の作家に比べ、個性的な導入部や登場
人物のキャラ設定が、卓越しているがゆえに
弱く感じられたエロ描写が大幅にアップデー
トされていました。
語彙力が乏しく、想いを相手に伝えられない
登場人物がカラダをぶつけ合うカラミで意思
疎通を図る展開が、読み手の共感を呼ぶ一冊。

まだまだ寒いこの季節、暖まりませんか?”comic快楽天”2022年04月号。印象に残った掲載作品は、昔から嘘とも本気ともつかない言動でヒロインを惑わしてきた男性主人公が見合いに失敗したと彼女に相談してきて…”日吉ハナ”先生、生徒会長な男子主人公の弱みを握ったヒロインが自身の性欲のはけ口に利用したら…”いーないん”先生などなど、温もり感じる一冊。

独特な叙情感と郷愁あふれる作風が印象に残る
”楝蛙”先生、”comic快楽天”と”X-EROS”へ掲載
された短篇・九作品を収録した、自身三冊目の
単行本。
印象に残った収録作品は、アイスを食べていた
男子主人公”和田くん”が、昔、付き合い始めた
ばかりのヒロイン”河原”との思い出を回想する
短篇「はじめから」。”楝蛙”先生・テイストが
炸裂する、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、更に深みを増し
た叙情的で郷愁あふれる、その作風。前述した
短篇「はじめ～」や、ヒロインとの出会いと再
会を描いた巻頭を飾る短篇「湯気のゆくえ」で
濃厚な”楝蛙”先生・テイストが堪能できました。
カラミシーンにページ数を割く作家が多い中で
男性主人公とヒロインとの関係性を、丁寧且つ
詳細に描く”楝蛙”先生、三冊目の単行本。良作。

”comic快楽天ビースト”2022年03月号、今月のお題は『おフェら』。印象に残った掲載作品は、男性主人公が務める飲食店へアルバイトに来たヒロインはかなりのポンコツで失敗ばかりだけど彼に気があるようで…”イゲドアハ”先生、花柳界で次期家元と期待されているヒロインのストレス発散法は…”雛咲葉”先生、授業中に体調が悪くなったヒロインが保健室に行くと女性保険医が男子生徒と真っ最中で…”長頼”先生などなど、楽しめた一冊。

登場人物の情感を巧みに展開へと取り込む作劇と
着実に向上している画力が実感できた”ももこ”先
生、”comic快楽天”に掲載された短篇・八作品を
収録した単行本。
印象に残った収録作品は、実家へ帰ってきた男性
主人公。親から結婚しないことをしつこく問われ、
居心地悪くて外へ出ると、ヒロインと卒業以来な
再会をして…な、短篇「ある春の日」。成り行き
でセックスしたら感度が良く、カラダの相性抜群
なヒロインに夢中となる男性主人公を丁寧に描い
た、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、既刊な前作単行本
「Rabbit Paradise」よりも着実に向上している
作画と作劇。前述した「ある～」での構成の巧み
さは記憶に残る、と思います。
派手さとか、けれん味を抑えた、いぶし銀な一冊。