さいの目さんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 183位 | (役に立った数:27件) |
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投稿数ランキング | 85位 | (総レビュー数:134件) |
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2024年05月31日
圧巻の300ページ強にも及ぶ女性上位物です。
多種多様なシチュエーションもさることながら、異種族、
人外などもあり、ショタ物の比率が少々高くダークに
終わる物語もありますが、女性上位物に興味があるのなら、
満足出来る事、間違いありません。
質、量とも盛りだくさんで、まさしく男性向け成年コミック
そのものを体現していると言っても過言ではありません。
女性上位物が大丈夫、という読者には限られますが、
是非ともお手に取ってもらいたいと思える一冊です。
きい先生の可愛い絵柄に対して、リアル過ぎる陰毛の描写が
処女作から如何なく発揮されています。陰毛の縮れ具合や
毛量や生え具合など、魂を込めて一本一本描かれた様な印象です。
劇画の成年コミックの事は全く触れて無いので分かりませんが、
少なくとも私が見てきた成年コミックの中では断トツです。
なので陰毛の描写が苦手な読者にはおすすめしません。
ですが、リアルさを求める読者には激推ししたいと思います。
また、「~の宇宙」と名付けられた修学旅行の同室となった
少女たちによる、行為に及ぶまでの世界観が共通である三篇が
良かったです。
修学旅行の夜の出来事が発端となり、周りにいた少女たちへ伝播し、
抑えきれない衝動と共に行為へと突き進んでいく内容なのですが、
世界観がグッと広がりました。
きい先生のストーリー構成の妙とも言うべきかもしれません。
まさに奇跡の一冊です。
本書の内容についてはたくさんのレビュワーの方々が仰る通り、
大変素晴らしいものになっています。ロリの属性が無くても
満足出来るのでは無いでしょうか。
さて、どなたも言及されて無かった点が一つありまして、
それは最終話からあとがきにかけて触れられているS〇GAを
思わせる描写の数々。あとがきに描かれているメガ〇ライブの
三本のゲームは専門誌による読者投票において最下位を争う
ゲーム達。金髪忍者ちゃんの絶望する気持ちがよく理解できます。
ソードオブ〇ダンにおそ〇くんに惑〇ウッドストック。
メガド〇イブのユーザーだった者たちには忘れられないゲーム達です。
つまり何が言いたいかというと、嶺本八美先生はヘビーなSE〇A派
だったのでは無いだろうか、という事です。この点だけで推せます。
まさか成年コミックにおいてSEG〇を思わせる描写に会えるとは
思ってみませんでしたので、思わず声が出てしまいました。
青春時代にSEGAを応援していた方たち!
是非とも嶺本先生を推していきましょう!!
20歳を少々超えるくらいのヒロインが多く、
成年を迎えたキャラによる成年コミックと
言っても間違いありません。
中には風俗店で働くキャラもいて、女性キャラの
バリエーションは豊富で飽きさせません。また、
本編では明かされなかったキャラの秘密が巻末の
おまけとして描かれていたり、描き下ろされた
ボリュームある後日談で描かれていたりと、
読者に対してのサービス精神も溢れています。
あと、膝裏のくぼみの事を「ひかがみ(膕)」と
言う事も教えてくれます。行為の描写も濃厚で、
色んな意味で非常に実用的な一冊でした。
2024年04月18日
この単行本に収録されている物語を厳密にSF作品だと
言うと、SF警察の方々の指導が入ったり、海野先生も
それは本意では無いと思うので、F先生が提唱した
少し不思議な物語と成年コミックの要素をかけ合わせた
作品集、と捉えると良いかと思います。
あとがきを読むに海野先生はSFについての造詣が深い
事を読み取れるので、先生の描かれる本格長編SF成年
コミックを読んでみたい、とそんな事を感じさせる
作品集でした。
ちなみに私の中で一番印象に残ってしまったのは、
新婚の部下に対してさり気なく掛けた言葉が果たして
正しかったのか変な受け取られ方をしてないだろうか、
と悩んでしまったおじさんの苦悩です。
レビュアーが選んだジャンル
名仁川るい先生と言うと可愛らしい絵柄に反して、
ハードな物語とハードなカラミ描写の印象があります。
この本の物語たちもその印象通りでした。
なので絵柄だけを見て、ソフトなあまあまな物語を
想像すると面食らうかもしれません。
てすがハードな物語と言っても、カップル達の内面の
葛藤によるもので、決して寝取り寝取られや強姦と
言った第三者が介入する様な物ではありませんし、
概ねハッピーエンドに終わりますから読後感は
清々しいです。
個人的にはあとがきに添え描きされたイラストの
攻守逆転された物語を読んでみたい!と切に願うの
でした。
どのお話も百合行為に至るまでの過程が
丹念に描かれていて、一話完結の物語なのに、
それを感じさせない厚みがあります。
収録されている話の数は少々少ないですが、
代わりに一話におけるページ数は多いので
不満に感じる事はありません。
設定がかなりぶっ飛んでいる冒頭二話に始まり、
義姉妹、格差、ママ活、能力者同士など、それは
それは多種多様な百合の物語を堪能出来ます。
あとがきで剛田先生が書かれていましたが、
まだまだ描かれていない百合ジャンルは無限に
あるとのことなので、それを見続ける為にも、
百合に多少でも興味があるのなら買いの一冊です。
レビュアーが選んだジャンル
2024年04月16日
かの福沢諭吉先生は「学問のすゝめ」でこう述べました。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と。
そしてそら豆さん先生は「中出しのすゝめ」でこう述べるのです。
「ヤればデきる!」と。
中出しにこだわり抜いた一冊。
中には強姦、浮気まがいな話もあるのですが、読後感はスッキリです。
むしろ清々しさまで感じるかもしれません。
タイトルに偽り無し!です。
着衣での行為が特徴であると売り文句にありますが、
言われてみればそうだな、と思うくらいで、ごくごく
自然な流れでストーリーが進んでいくので違和感が
全くありませんでした。
それはあまりコスプレ要素を含んでいないからだと
思います。なので、着衣=コスプレだと期待される
読者には物足りないかもしれません。しかし、どの
物語もあまりに自然な流れで行為に及んでいくので、
まるで最初の物語のヒロインがしていた様な
「のぞき見」をしている不思議な感覚に陥って
しまいました。
また、行為中の吹き出しに手書き文字が多用されて
いるのも効果が高かったです。フォント文字には無い
リアルさを感じられました。それは、睦月先生による
計算された熟練のエロティシズムの賜物だと思います。
概ね、ハッピーエンドを迎える物語ばかりなので、
安心して「のぞき見」ましょう!
この単行本の前半に収録されている物語は意中の男性の嫉妬心を煽り、
自らの願望を成就するために振舞う少女たちの物語で、その手段は
自らを寝取らせるといったもの。それにより嫉妬心を煽ら男性たちは
半ば強引に行為を行ってしまうという展開で、ここで心を
抉られてしまう読者も多々おられるのでは無いでしょうか。
ですが、この結果は女性陣の望んだ事なので、過激な展開では
ありますが、当人たちにはハッピーエンドなのかもしれません。
「狂気」と「純愛」は紙一重なのでしょう。
後半は多種な「肉欲」が描かれており、個人的にはビッチの話に
引っかかりを覚えました。はっきりとは描かれていませんが、
ひょっとしたら彼女は本番行為が無経験のビッチだったのでは
ないだろうか、と。
セックスには興味があるけど、破瓜の痛さを怖れ、アレの大きさを
測る為に口ではするけど本番はしない。事細かに描かれては
いませんのであくまで私の想像です。ですがそう考えると、
冒頭ビッチとして描かれていた少女がいじらしく感じませんか?
まぁ、探し物を見つけた後の行動はまさしくビッチではありましたが。
等々、深読みしようと思えばいくらでも深読み出来そうな話が多く
全てをはっきり描かないことにより、読者の想像力を喚起させる。
文学的な成年コミックのあり様の一つの形だと感じました。