あるて。さんのレビュー一覧

三上先生の「おやすみせっくす」の総集編ですが、最初は、やっぱり実の兄妹なのでためらいながらも、二人とも欲望を抑えきれずにやってしまう。
でも、葛藤の場面は多いのだけど反省をするよりもやっぱり欲望の方が圧倒的にデカくて、「言い訳」を作りながら、やっぱりやってしまう。
そして、性の欲望が膨らむと同時に、お互いを性と人生両方のパートナーとするための「愛情」も、急激に膨らんでいく。
でも、お互いそれを表面に出してしまうとたくさんのことを喪いかけない危うさを「兄妹だからこそ」内包してるから、妹が熟睡して寝てる時に兄が(一応)むりやりやっちゃう。と言う、「言い訳」のルールの中で、行為と愛が深まってく。

そして、それらが、もう、言い訳を維持できなくなるくらいまで、愛が愛情が、欲望が、特に妹の方で高まって、「『躊躇い』という壁」が決壊して、お互いに、二人でいるときだけは「大好き」なのを隠さなくなって行為を進んでやるようになっていく。

この後の二人の人生は凄く大変かもしれない。と言うか、絶対に大変なことがまだまだある(兄妹だし!)。
でも、そうであっても、その先がどうであっても、素直に
「おめでとう。末永く幸せに。がんばってね」
って、ただの漫画なのに読み終えてつぶやいてしまった、私がそこにはいました。
良いシリーズでした。

一応ネタバレで書くことにしますが、ぜひ読んでほしいのでバラし方が曖昧なのはご容赦を。

こういうハッピーエンドのさせ方があるのか。という事ははっきり思いました。
ろくでもない毒親たちに虐げられてる主人公が学費稼ぎ兼ねて売春してて、その中で○せい○使ったセックスで堕ちていく…勿論男の方もヤリ捨て前提というかそもそも買春だから…でおわらせるのかか。と思ったら、結構愛情持ってしまって、腹を括って彼女(主人公)の背負ってるものを自分も背負う決断をする。というの、いやぁ、すごい落とし方だなぁと思いました。
こういう落とし方があったか!と目からウロコ。
前作(「犬になる」)の入り方の昏さから、こういうハッピーエンドに持ち込むとは、脱帽!本当に、正直、うなりました。

性悪な女の子達が童貞喰いで傷跡を残す短編集なんだけど、すっごいどろどろしてるというか、ある種の女の子の邪悪さというものを、邪悪な表情一つなしに描ききってしまってるという、すごい怪作になってると思います。
これ、どうしても、男の子に感情移入しちゃうけど、でも、少し思ったの、傷跡にとらわれる男の子も男の子たちで、悪い子なんじゃないかという、言葉にしにくいけど、私の心の中にも爪痕を残された感じです。

単なるロリコン作品・ヤリマ○物だと思うなかれ!

この一言に尽きます。

商業で別ルートを連載して単行本にしてる「サーシャちゃん」シリーズの、ふとしくんルートの23年半ばまでのを電子版でまとめたお徳用セットなんですが、全てがエロティックでコミカルで、ウイットに富んでて、そしてとても、リリカル。

サーシャちゃんも愛おしいけど、それ以上に、好きになった女の子に対して必死になってるふとしくんが、物凄く愛おしい。

紙の同人誌や支援サイトだと、ししょールート(単行本ルート)のエロもちょろちょろ出てるようで、そちらのリリカルさも期待できそうです。
とにかく、分量以上に中身のリリカルさが、お徳感満載です!

もののけに襲われた末に、快楽堕ちしてしまう女子の描写というか病者が素晴らしいですね。
しかも、もののけにヤられてるからこその、エロティックさが凄まじく炸裂してる。

絵柄も荒っぽく見えるけど、実は緻密に描かれていて、それが、異形の者に襲われていく人間が、異形の者の世界に取り込まれ、狂気をも植え付けられていくという恐怖を体感できる。荒っぽい絵柄ゆえの、恐怖。そして、エロティック。

おじさんに無理やり拾ってもらって、拾ったおじさんが自制してどうにか事なかれで行こうとしたのを、女の子が半分無理やりおじさんをやってしまった感じで初体験して、そこからは、もう、なしくずし…

この時点ですごく悲しさも漂ってるのですが、そこからイラマチオや首締めなど鬼畜なプレイへとどんどんとのめり込んでいってしまう二人…おじさんと少女、どちらにも破滅の臭いしかなくなっていく流れが、素晴らしい。

果たして、少女は人間性を取り戻せたのか?それとも、先のない人生を倦んで、生き急いでるだけなのだろうか?

タクシー・ドライバーやシド・アンド・ナンシーのような古めの映画を連想してしまうのは、私だけでしょうか?

FPS慣れしてるから拾った自動小銃で無双しまくるもこっち…まぁ、そこら辺「なろう系」っぽくてすごくおもろいし、案外ミリオタっぽさもあってよかったのですが…絵にも勢いがあるし活劇的な爽快感もある。

でも、オチが弱いというか、死んでるのか生きてるのか曖昧にしちゃってるのがちょっともどかしい。多分生きてるんでしょうけど。

純愛なのかなぁ。と思ってみてたら、実は男の子が幼なじみを開発していた上にほとんど無理やりやってしまうという鬼畜外道ぶり。
絵の一つ一つ、女の子の繊細な内面描写の一つ一つ、身体がうずいてどうしょうもなくなっていく様の一つ一つがエロくて愛おしい。

でも、やってることが結構鬼畜。

純愛が叶ってよかったな。とか言いたいけど言えそうにないようなこれあかんやつやぶりを見ていて、生まれて初めて、「風俗で抜いた後に賢者モードになった勢いで風俗嬢に説教するおじさん」の気持ちがわかった気がします。
気がするだけですけど。

一応メタフィクションのように見せかけて、現実だという話で…しかも、これ、親バレしてないと思ったら親バレしてるという作りで、もう、泥沼どろどろしてて、この後この姉弟どうしてくんだろうという感じで
…エロがどうこうとかどうでも良くなってきて、圧倒的な文字と情報量の暴力と後はもう、哀しみというかもう、○貴くんの外道さともこ○ちの諦観ぶりが哀愁漂ってすらいて、カオス極まりないですね。
読みのにむちゃくちゃエネルギーがいるので、誰にでもおすすめするとは言いにくいのですが、このカオスの奔流に荒れ狂う波浪にもみくちゃにされたいあなた!おすすめしますよ。

昔、大昔、コンビニでエロ漫画が売られてた時代。
ホットミルクがB5版コンビニ本として復活してるのを偶然見て、嬉しくなって久しぶりに買った時。

その時に、モチ先生の作品(月下の薄桜鬼)が載ってて、すごいインパクトとペーソスを感じて、この作家さんすごいなぁ…と思ってたのですが、その後ホットミルクに掲載されることもなく月日が経っていきました。

DLSiteに入会して、キルタイムから出てる本書に「月下の薄桜鬼」も載ってるので、嬉しくなって買ってしまいました。

他の作品も含めて、被差別階級的な立場に置かれてる少女や少女を好きになった少年の悲哀というものが巧みに描かれていたり、異種族とのめくるめくエロスが描かれてたりして、すごいいいです。