作品内容
湊人が緑豊かな郊外の田園都市で、昴と咲季に出会ったのは、四歳のとき絵画教室での夏だった。
山で蝉の声が響く中、泥にまみれて遊ぶ三人は、他の子たちとは簡単に馴染まない性格だった。杉の巨木の下、三人だけの世界が次第に深まっていく。
いつしか、湊人は疼きに似た感覚を、昴と咲季に覚えていた。
ある日、圧倒的な性の衝動を伴う仄暗い事件を経て、三人の柔らかな関係が狂い始める…。
鬼六賞作家、圧巻の官能文藝!
うかみ綾乃(うかみあやの)2011年『窓ごしの欲情』(宝島社)で日本官能文庫大賞新人賞を受賞。2012年『蝮の舌』(小学館)で第二回団鬼六賞大賞を受賞。深い性愛を通して人間を描く、実力派女流。生田流箏曲師匠でもあり、箏やピアノの弾き語りでライブ活動も行う。