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バーチャルな吸血鬼が毎週月曜日にやっているラジオでお勧めされて購入しました。
端的に言えば「フリーターの自堕落な人生」を描いた本作に非常に共感を覚えました。
もう共感が半端なくて、いたたまれない気分になるほどでした。
思うにいささか極端ではあるものの、誰もが持っていて誰もが一度は経験したことのある負の感情を包み隠さず描いているからかもしれません。
本作の主人公はネガティブで人付き合いを極端に忌避する女性です。
うつ病を患っているのではないかと疑ってしまったくらいです。
日常のなんてことが無い家事ですらダラダラと後回しにしてしまう中で、同級生達との格差を思い知り劣等感にさいなまれる瞬間は痛いほどわかります。
病欠を申し入れた日に仕事関係の人と接触してズル休み疑惑をかけられるのを恐れる心理はバイトだろうが正社員だろうが変わることなく、万が一にも遭遇してしまったら足早に逃げ去ってしまった思い出が蘇りました。
だんだんレビューじゃなくて自分語りみたいな経験談みたいな感じになってしまっていますが、本作の魔力もまさにそれだと考えています。
忘れていた「あの時」の感覚がパワーショベルで掘削されたみたいに容赦なく掘り起こされるのです。
そんな黒歴史を厚着したかのような主人公が危なっかしく生きている日常に自身を投影し、彼女のこれからの身の振り方が気になってしまう魅力がありました。
続刊も購入決定です。