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現代の農作物栽培は、本当に平和なのだなぁと感じさせられる2巻です
何しろ、日本でニュースとして聞こえる情報は、
不作が発生した場合大体天候不順、
健康被害に関する話題は主に農薬、
病虫害に関する話は、なかなか思い出せません(大穴で蝗害くらいか)
畜産で病害が発生したら、大問題になるのにね

安全な作物を作って頂いている熟練農家農家の皆様に、頭が下がる思いです
では、従事者に知識も技術もなかったら?
…そんな恐ろしい仮定に基づく中編が、佳境まで掲載されています
本作はサスペンスであるため黒幕が存在するのですが、
病害に対する無知が原因で、誰も止められず被害が散発する状況が、実にグロテスクです
知は力なりを信条に構築される竹良先生の世界観の、影の部分がここにあります

病害に対する直接対処の裏で、久磨子が抱える事情が展開します
1冊を通して、人間は弱い、を多角的に描いており、お好きな方にお勧めです