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百合物語は幸せに終わらない事が多々あることは重々承知しているつもりでしたが、そんな自分でも驚嘆するほどに、人間にとって最大の不幸、最大のストレスである死が満ちているお話です。
学生だからとか、女同士だからとかではなく、登場人物たちの言葉が、行動が、思考が、全て悪い方へ悪い方へと向かい、結果人生の道を踏み外していく。
特に、語り部役のキャラクターの
「この世に生まれ落ちたことこそが最大の貧乏クジで、だからこそ、赤子は泣き叫ぶのではないか?」
という台詞を見た時は正直ゾッとしました。
話の内容自体は、ファンタジー要素的な展開や設定も含まれあまり現実的ではないかも知れませんが、現実に「生きる」人間として、怖いくらいに読み応えがありました。
あまり安易に他人にすすめられる内容ではないとは思いますが、今一度「人間」の「生」と「死」について深く深く考えさせられるこの話、おすすめです。