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【内容紹介・目次・著者略歴】
人間の悪意が横行した建安期にあって、建安文学は悪意への反撥のみならず、悪意の所有者である人間そのものの把握に進み得た。それゆえ我々は建安文学に自由さ奔放さを感ずるとともに、人生の深淵を見せられる思いがするのである――。王粲、劉テイら建安詩人や鮑照の生涯を伝記資料と作品分析により独自の伝論として再構成、杜甫に焦点を当てて建安詩の伝統の継承が盛唐から見られることを指摘し、さらには文学批評史上における盛唐詩の意義を解明する。戦後わが国の建安・盛唐文学研究を導いた不朽の論考集。
【目次より】
第一編 建安の詩
第一章 「巖巖鍾山首」篇
第二章 王粲伝論
第三章 王粲詩論
第四章 劉〓伝論
第五章 劉〓詩論
第六章 楽府 魏の武帝をめぐる
第七章 曹植とその詩
第二編 南朝の詩
第一章 鮑照伝論
第二章 鮑照詩論
第三章 魯迅と陶淵明 文学遺産の問題
第三篇 杜甫の詩
第一章 杜詩における性霊
第二章 杜甫の問題 開元天宝期
第三章 詩家としての杜甫
第四章 杜甫と元結・『篋中集』の詩人たち
第四編 盛唐の詩
第一章 盛唐の詩にあらわれた文学論の性格
第二章 盛唐詩人と前代の詩人 盛唐における文学論の一面
第三章 『捜玉小集』について
初出一覧
あとがき
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伊藤 正文
1925-2000年。京都大学文学部卒業。神戸大学名誉教授。
著書に、『建安詩人とその伝統』などがある。