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『青く滲んだ月の行方』(青羽悠)と繋がる、共感度120%の青春小説。
<第1話 さんざんな朝>
就活生の皐月は、あるレコード会社の面接で「あなたを売ってください」という質問を受ける。
自分を商品にした時の魅力はなんなのか、うまく答えられず、落ち込みながら今日も1人反省会をする。
そんな中、大学の先輩のSNSで、恋人の浮気場面らしき写真を見つける。
社会人で、皐月の就活に興味がなさそうな彼とは、最近うまくいっていない。
自分の気持ちに正直に生きたいけれど、私だけが何にもなれずに取り残されてしまうのかーー?
<第2話 砂が落ちる>
「好き」は終わりの始まりだ。
パパもバイト先の先輩も、彼氏も、マッチングアプリで出会った男の子たちも、みんなあたしの元からいなくなった。
わかっているはずなのに、大学2年生の愛衣は新たな誰かを探す衝動が抑えられない。
それはまるで、「いらない」と思われた自分を傷つけるかのようだった。
砂時計の砂が落ちていくように、人間関係にもタイムリミットがある。
それでも、と願う愛衣が出した答えとは?
<第3話 手紙>
大学生の井ノ坂文は、SNSで人気のシンガーソングライター・ふみとして活動している。
活動当初から、自分の経験をひとつずつ切り出して楽曲を作っていた文は、誰かの「自分のための曲」を作ることはできても、楽曲を通して誰とも繋がれないことに不安を感じていた。
新曲の制作が進まずもがく彼女は、ふと男子高校生の自殺のニュース目にすると、彼のために曲を書こうと思い立ち――。
<第4話 あと一歩>
「男女の友情なんて成立しない」。
男同士、女同士だって、友情が成立しないことはあるのに、どうして男女の間だけーー?
智子が、愛衣と涼太と飲む場所は、ラブホテルが定番となっている。終電も気にしなくて済むし、いつでも寝られるし、お店で飲むよりも安く済む。恋バナをしたり、就活の相談をしたり、定番となった三人で飲む時間だったが、その中で智子はある思いを抱えていてーー
<第5話 色を変えて>
大学4年、11月。まだまだ先が見えない毎日を送る皐月は、キャリアセンターで相談してみることに。「やりたい仕事が分からない」と打ち明けると、「自己分析」をしてみては、と勧められた。
面談を終えてスマホを見ると、サークル仲間の奈美から卒業旅行の誘いのLINEが。
自分がいることで気を遣わせるのも申し訳ない、と不参加と返信すると、奈美から電話がかかってきた。
「それでも私は皐月のこと、大事な友達だと思ってるよ」
友達って何なのか、そして、私って一体どういう人間なんだろうーー?