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人と話すのが苦手で本好きなぼく、彫の深い顔立ちで少し怖かったけど実は優しい虫好き西森くん、いつもユニコーンのぬいぐるみを抱えた長いおさげでアメリカからの帰国子女の先輩アズサ、それぞれの事情を抱えた三人の物語。
書店関係/ポタジェのように自立しながら持ちつ持たれつな3人の姿が清々しく輝いていました。自分も、全ての人との会話を楽しめるタイプじゃなく朔弥の気持ちが痛いほどわかります。フラットだけどあたたかい眼差しの平林先生が物語のなかで3人をやさしく導く灯台のようでとても素敵です。後半の母親との会話には心をぎゅっと掴まれました。心配しすぎるあまりすれ違う思いと、あまりにも自己肯定感が低すぎて相手の気持ちをうまく受け止められないもどかしさ。生きててもいいの?と言わせてしまう切なさはぐさりと刺さります。とにかく、たくさんの人に読んでほしい作品です!
図書館関係/面白くて一気読みしました。先生がいい人過ぎて、こんな先生と一緒に部活したら楽しいだろうなと思いました。名言や名シーンがたくさん。バラバラの3人をうまく繋げてくれて、いい緩和材になってました。部員もそれぞれキャラが違いながらも、ぶつかり合いながら成長してる姿がまぶしかった。各々の悩みを抱えながらも、乗り越えているストーリーは若い読者にも勇気を与えてくれそう。脇役たちもいい人が目立つ中で、主人公のお母さんだけが悪者っぽくうつってしまったけど、やっぱり、ただただ心配してただけなんだ。と分かり合えて良かった。続編希望
レビュアー/黒田くんは自分の意見とは関係なく「より自分にとってのリスクの低い方」を選択しなから生きています。他の部員や顧問の先生とのやり取りが軽快で、物語のテンポも良く孕んでいるバックグラウンドを重く感じ過ぎすに読むことができました。園芸部がいつしか主人公にとって居心地のよい場所になっていく心の機微が細やかです。皆、思い思いに好きな事をして、でももし僕が困ったらきっと二人とも助けてくれるだろう。初めはむやみに人を恐れていたはずの黒田くんが素直にそう感じるようになっていく姿は応援せずにはおられず温かい気持ちに。また表紙の装画はそれぞれ自由に好きな方向をじっと見つめているが実は軸足はしっかりとポタジェのある花壇を踏んでいて彼らにとっての園芸部そのものを表しているようです。
レビュアー /3人の関係が、植物の成長とともに変わっていくさまがいい。彼らの活動を追体験することで自然と理科が学べてしまうのもこの本の魅力。アブラムシのびっくり生態や、害虫に益虫をぶつける工夫、相性のいい植物の存在など、好奇心をそそる知識が山盛りでしたよ。