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日本にあるベビーボックスは「こうのとりのゆりかご」ただ一つ。72歳の医師が「こうのとりのゆりかご」を開いて10年、あらゆるバッシング、危機に耐え、130人の命を救ってきた。【編集者から】「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)を創設し、あらゆる困難をのりこえ運営を継続してきた、熊本慈恵病院院長・蓮田太二院長の初めての単独著書です。本書を読んでいただければ、「こうのとりのゆりかご」(通称「赤ちゃんポスト」)=「赤ちゃんを捨てるところ」という見方が、まったくの誤りであることを理解していただけると思います。365日24時間体制で、行き場を失い孤立出産に追い込まれている多くの女性の相談にのり、サポートしてきたこと。やむなく「こうのとりのゆりかご」に置かれた赤ちゃんを、生命の危機から救うための医療体制を常に準備してきたこと。その赤ちゃんの親が現れなかった場合には、赤ちゃんの幸福を考え、赤ちゃんを愛してくれる里親を探し、その里親のサポートをも行ってきたこと。このすべての活動が、慈恵病院という一医療法人の献身的努力によって支えられてきました。しかしながら、こうした活動が日本で唯一、一医療法人の献身的努力で成立しているということに、問題の深刻さがあるともいえます。本書では、蓮田太二院長の活動を引き継ぎ、グローバルな視点でこの問題をとらえ、また、匿名出産・内密出産の法的な問題にも取り組んでいる蓮田 健副院長の活動も紹介されています。深刻化している子どものいじめや虐待の問題も「こうのとりのゆりかご」の延長線上にあると考えるなら、むしろ、問題は緊急度を増しているといってもいいと思います(慈恵病院では、こども食堂も運営されています)。ぜひ、ご一読ください!