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毎日が茹だるような暑さで、季節は夏──
アルバイトで1週間の泊まり込みから帰宅した俺を待っていたのは、予期せぬ客人だった。
燕尾服を着た一人の老人とイカツイ黒スーツの男。
「おはようございます大輔様」 「・・・おはようございます」 表情の読めない老人。名刺を出す。
「?・・・紫宮(しのみや)財閥ってあの有名な・・・」
そこにはTVでも毎日のようにCMを見かける大企業と同じ名前があった。
『執事』の話をかいつまんでみると、どうやら自分は「紫宮(しのみや)財閥」の総帥、 柾綱の孫にあたるらしい。
更には、このたびその柾綱の願いにより、財閥を継ぐ者を選抜、
自分にはその資格があるから総帥になるレースに参加して欲しい、といった内容だった。
「オ、オレが総帥!?」 驚く俺に、「候補でございます」
燕尾服の老人は落ち着き払ってそう述べると背後に停めた馬鹿でかい車に俺を誘った。
こうして俺は財閥の総帥を決める『総帥レース』に参加する事になる。
パートナーとして協力してくれる秘書は 「献身」「忠実」「強気」と3タイプ。
『秘書』・・・主をたて、それでいてただ従順なだけではなく、
時には頼もしく仕事をサポートしてくれる才色兼備な憧れの存在。
一生縁なんて無いと思っていた美人秘書が俺の目の前に!?
彼女とアッチの面でもパートナーシップを結びたい!なんて考えてもいいだろう?