Tikuwabuさんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 69位 | (役に立った数:39件) |
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投稿数ランキング | 81位 | (総レビュー数:77件) |
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本作は東方妖々夢の楽曲をアレンジしたものであり、その幽玄な世界を激しい曲調のオーケストレーションでまとめ上げた音楽アルバムです。
12曲54分の内容はボリューミーで、その壮大な世界は始まりの「幽玄境の恋唄 ~ Passege of Cherry Blossom」と終わりの「桜の花が咲くまでに」をリンクさせる形で完結している。
全体を通して激しい楽曲が目立つだけに、そこでのピアノの簡素さは美しく響きます。特にピアノ独奏の「桜の花が咲くまでに」は本当に美しい。
販売こそわりと最近ですが、趣味工房にんじんわいんさんの作品としては三作目だそうで(サークル側で設えられている型番もHACW-TA1003となっています)、初出は2006年。
この漢字一文字シリーズの前作「桜 -SAKURA- 紅響楼閣」が初作のようですから、再販の類になりますかね。
とはいえ、音質面で問題があるわけではありませんので念のため。
前作のオーソドックスな内容から比べますと、よりコンセプトを明瞭にした今作のアレンジはより尖った内容であり、非常にクールです。
ハードロックのテイストやメタルのテイスト、あるいはテクノのテイストなども導入したアルバムのカラーはかなりダークですが、それが原作の音楽の幽玄さとよくマッチしている。
ハイテンポな楽曲が多いだけに疾走感がある一方で、前述した通り最後に落語で言うサゲのような楽曲もあって、頭の曲へと繋がっている。ヘビロテにも向いていますね。
趣味工房にんじんわいんさんのアレンジは何作か買わせていただいておりますが、いまのところ最も気に入った作品です。
各曲について書くスペースはありませんのでこの辺にしておきますが、大変魅力的なアルバムです。
エレキギターが活躍するようなクールなオケアレンジをお求めの方に強くお勧めしておきます。良いアルバムですよー。
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本作は東方シリーズの紅魔郷、妖々夢、永夜抄の音楽を採り上げたアレンジアルバムです。
作品内容で説明されていますように全8曲、36分程度の収録内容になっています。ちなみに某秋の姉妹については忘れていたのだとか。(笑)
サークルさんはケルティックアレンジと説明しておいでですが、個人的には和様の、それも秋の色合いが深いアレンジだなと感じました。
この辺はごく個人的な感想になりますが、ケルティックの(というか音楽的には、たぶんアイリッシュ調のという意味合いになると思います。ケルティック・ウーマン的に考えて)リズミックでメロディアスな風情よりも、二拍子的な日本の音楽性を強く感じてしまった感じです。
その意味では、活躍する横笛などは祭囃子を思わせる。実りの季節の喜びを強く感じる明るい秋の空や、祭りでの華やいだ人々の風情ですね。
あくまで個人的な感想ですけど、その辺の意外性を除けば大変魅力的な秋向けアルバムです。
このレビューを書いてる時期にはそぐわないのですが、優しいタッチの表紙絵に似つかわしい、優美な一枚です。強くお勧めしておきます。
ちなみにですが、背表紙のSD化した二人のイラストもなかなか愛らしいので、そちらもお勧めです。
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本作は東方シリーズの紅魔郷から妖々夢までの楽曲を金管五重奏に編曲したアレンジアルバムです。
ボーナストラック的な最後の「9. 夏へ向けての練習 ~少女練習中~」を除きますと、8曲35分程度の収録内容になっています。
トラックリストは以下の通り。
1. 飛べない巫女はただの巫女だ [ほおずきみたいに紅い魂]
2. クール特急便~いろいろあったけど、あたいは元気です~ [おてんば恋娘]
3. お前は今日から「中国」だ [上海紅茶館 -Chainese Tea-]
4. 咲夜を解き放て 咲夜は人間だぞ! [メイドと血の懐中時計]
5. 橙の恩返し [遠野幻想物語]
6. 霧の湖のレミリア [亡き王女のためのセプテット]
7. フランのばかっ すぐに迷子になるくせにっ [魔法少女達の百年祭り]
8. 藍と紫の神隠し [少女幻葬 ~Necro Fantasy~]
サークル主さんは中高と吹奏楽経験をお持ちの方だそうで(ペットで音大受験経験もお持ちだとか)、ここでの編曲は各楽器を活かした内容になっています。
上述した通り有名曲の編曲物になりますが、実際に演奏可能な音域での編曲だそうで、制作当時は楽譜の制作も進めていた旨がライナーノーツにはあります。
演奏者の方はそうした点(実演の可能性という点)で見ても面白い一枚でしょう。
個人的には繰り返しが効果的な「橙の恩返し」が好みでした。ホモフォニックな編曲は、こうした室内楽形式では特に映えますね。
全体的に優しいテイストのアレンジ(サークル主さんは「癒し系」と表現しておいでです)です。金管の華やかさと癒しが両立している。
表紙の魔理沙が凛々しい一枚、お勧めしておきます。しかし、彼女はやたらとペットが似合いますねー。
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本作は東方紅魔郷のオケアレンジ作品で、主要な楽曲を様々な形でアレンジを施した音楽作品です。
全17曲、69分と厚みのある内容になっております。
壮大なテーマで始まる2曲目「夜に群がる妖蝶たち」などは正統派のオーケストレーションですが(主題を高らかに吹き鳴らすペットが勇壮です)、3曲目ではなんちゃって江戸感のある楽曲が配置されてます。
そして4曲目にはユーロビートリミックス、とかなり幅のある編曲ですね。「凶月の降魔時計」では咲夜さんらしいクールさを感じるメタル調の編曲が為されています。
とはいえ、基本は正統派のオーケストレーション。「陽炎の都、白日の租界」や「紅い霧に滲む花びら」ではピアノ協奏曲的な側面が強い。
チェンバロから始まる「紅い狂気の継承者」などはまさしく正統派です。ザッツラスボスバトルですね。
ただ、個人的には鉄琴が幻想世界を織りなす「釈放された永遠を抱いて」なんかがお気に入りです。こうした叙情的なニュアンスを出すのが趣味工房にんじんわいんさんは上手いなーと。
長くなってしまいましたが、東方のアレンジ作品で正統派なオーケストレーションをお求めの方にお勧めの一枚です。
興味をお持ちの方はぜひどうぞ。お勧めしておきます。
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本作は、気の置けない仲の世話焼きな幼馴染に丁寧なヘッドスパを施してもらう音声作品です。
昔からの付き合いゆえか、無防備な距離感で話し、世話してくれるツンデレ幼馴染が大変魅力的な作品です。誰かこういう幼馴染ください。
本作はASMR的な要素がありまして、端的に言えばヘッドスパがメイン。状況説明などは最小限に抑えて、炭酸の音やシャンプーの泡立つ音、あるいはマッサージの音などを主に聞かせている感があります。
生音での効果音を活かしたいという意図があったのだと思いますが、効果音の質、音質などの点から見ても良質の内容でしたね。
とはいえ、ドラマ部分に不足があるわけではありません。ツンデレ具合が大変愛らしい幼馴染さんとの会話(という体で展開される音声)はくすくすと笑いが起こってくるような気安さですし、最後の最後まで微妙な距離感が続く感触はこそばゆい感じがありました。
また状況説明が最小限であればこそ、会話そのものにリアルっぽい空気感が出ている点も指摘すべきポイントでしょう。
CV担当、サークル主さんの和鳴るせさんの演技はど真ん中直球のツンデレ幼馴染。素晴らしかったです。堪能させていただきました。
ちょくちょくツンデレながら、何かをするときは必ず気遣う素振りを見せるところなどは、世話焼きな幼馴染感が出ていて大変よろしゅうございました。
今回初めて+ ucca ∫ ucca +さんの作品を買わせていただきましたが、ちょっとダウナーっぽい感じのふりーとーくも含めて、大変楽しませていただきました。
惜しむらくは01と02のファイル間の繋ぎがちょっと弱かったかなーと。それくらいですかね。
それも、些細な傷でしょう。自信をもってお勧めできる良質な癒し系作品です。未聴の皆さんも、ぜひぜひ世話焼きツンデレ幼馴染に癒されてしまいましょう。
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本作はピアノを中心にした東方アレンジ物の音楽CDです。
ジャケ絵のピアノを弾く霊夢とサックスを吹く魔理沙の牧歌的な雰囲気とは裏腹に、このアルバムの編曲はだいぶクール。
そうしたのどかさも時に顔を見せますが、全体的には「田舎系アニメというより攻殻機動隊」的なクールさを感じます。
全12曲(うち inst が4曲)、59分と中々ボリューミーな作品ですが、全曲4分以上と腰を据えた感のある編曲が特徴でしょうか。
楽器編成なども結構冒険してまして、二曲目「Utopia Wind [神々が愛した幻想郷]」でメインメロディをところどころ担当しているのは、これはテルミンなのかな? 電子楽器的な浮遊感のある音が物珍しくあります。
弦楽やオルガンのほかに、全体的にパーカッションやシンセサイザーの利用も目立っていますが、その一方でピアノ曲と見て相違ないくらい硬派な曲も見られる。その辺は「発表会」というニュアンスにふさわしいものでしょう。
ちなみにこのアルバムは(ピアノ部分は)きちんとピアノ曲として弾ける前提で編曲されていて、発売当初はHPで楽譜の提供などもされていたようですね。
3曲目「For the fairy of ice [おてんば恋娘]」についてジャケットでは「エリーゼのためにが弾ければ弾けます」と触れていますが、実際に演奏会に掛けられた曲もあるようですから、そうした需要にもマッチしたアルバムでしょう。
7曲目「Nocturne at bright garnet night [亡き王女の為のセプテット]」などは結構需要があるんじゃないかなーと個人的には思います。
内容が二転三転とのことで、その影響もあったのか、ジャケ絵と内容がややアンマッチである感は否めません。
ただ、その点を抜きにすればボリューミーな良いアルバムです。個人的にはお勧めできる一枚ですね。
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本作はタイトルの通り、名作ゲーと謳われる「悪魔○伝説」をモチーフに採った東方同人ゲームのサントラ、という体で製作された音楽CDです。
頒布用ジャケット(と思われる画像)にはきっちりゲームプレイ画像なども付いていて、結構本格的です。横スクロール型のアクションゲー、シンプルに面白そうなんで、実在しないっぽいのは惜しいですね。
さて、本作は紅魔郷アレンジのアルバムとなりますが、全26曲(クレジット、ゲームクリアを含む)で60分超の大ボリュームとなっています。
アレンジも作品内容で紹介されている通り、ゴシックなニュアンスにハードロックのテイストを加えたもの。ただ、全体的にはクラシカルな編曲になっていて、FC時代やSFC時代の音源を彷彿とさせるものがあります。
個人的にはBOF辺りを思い出したりしたのですが、サントラらしく全体的に統一感がとられ、その質も高い。ボーカロイドを使用したボーカル曲や牧歌的なボーナストラックなど、バラエティも豊かですから、一枚としての満足度も高いです。
私は東方アレンジ物に触れていないので、その文脈でどうかは判断しかねますが、ゲームのサントラとしては質・コスパ共に文句なしでした。
昔のゲームミュージックがお好きな方などには特におすすめです。もちろん、音質や楽器の種類などは当時と比べ物にならないほど充実してますしね。
本作は古き良きJRPGの世界観で展開される、魔王と人間の秘書による小粋な掛け合いが魅力的なギャグ漫画です。
全体的には世界征服の計画段階で終わってしまう、いわばコミックの一巻のような内容ではあるのですが、それだけに殺伐としたネタながらほのぼのと読者を笑わせてくれる良質なコメディですね。
敵を知り己を知らば、と敵方の人間の秘書を捕えてみたら、実はその秘書はとんでもない子だった、という内容がベースなのですけど、最後は綺麗に納まって読後感良く終わっている。そのそれぞれのギャグの質にせよ、一冊の読後感にせよ、よく構成された逸品です。
絵のテイストも世界観に即して、どことなく懐かしい。しかも丁寧に描かれていて、高い水準で描かれた漫画です。
これで108円はもったいないほどですし、続編があればぜひ購入したい一冊でした。お勧めしておきます。
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本作は耳回りの掃除とマッサージを中心に施術を行うイヤートリートメントサロンのソレイユという店を初めて訪れる「あなた」が担当の「柏木さん」の施術を受ける、という体裁のマッサージ体験音声作品です。
内容は耳掃除・マッサージ中心であり、会話も事務的な物がほとんどで、その意味ですでに多くの方がご指摘しておいでであるようにかなり寝落ちしやすい作品です。床屋や美容院で寝てしまうタイプの方はまず寝るのではないかと。
聴いているうちにウトウトとし、そんな微睡みの合間にふと「次は○○をしますね」という声かけにハッとする。
そんな繰り返しはある意味で至福。正しい利用法かは謎ですが、そんな微睡みの楽しみがありました。
そうした内容の良質さも然ることながら、音質の高さにも驚かされました。
部屋の中での衣擦れの音やキャスターの動く音が細やかに耳に入り、バイノーラル録音の味わい・遠近感が実によく出ています。
ですから、この作品は(指示にもある通り)目をつむって仰向けで寝ころんで聞く方法が適しています。音声の状況に身を委ねてゆっくりマッサージや耳かきを満喫する。そうしますと寝落ちしてしまうわけでもありますが。(笑)
CVを担当している伊東もえさんの声は事務的ながら余所余所しくはなくて、耳に優しい落ち着いたトーンで終始演じてくれています。
どことなく茶目っ気もあって、素敵なお姉さんだなと。癒し要素がいや増しております。
長々と書いてしまいましたが、癒し要素の強い一品です。耳掃除そのもの以上に、全体の雰囲気を楽しめる良質な作品でしょう。お勧めです。
バイノーラル風に仕立ててある、同棲中の彼女との甘々な生活のワンシーンが描かれた音声作品ですね。耳かきと添い寝に、後は雨の音と甘い会話とが加わるイメージでしょうか。
作品の聴取はMP3プレーヤー&イヤホンで行っていたのですけど、この感想を書きながらヘッドホンで聞いておりましたら、こちらの方がより楽しめるなと。もちろん機種にもよるでしょうが、ヘッドホンの方が望ましいかもしれませんね。
それにしても、CVを担当しておいでの浅見ゆいさんは素晴らしい演技を見せてくれています。
会話の自然さもさることながら、同棲して間もない彼女の雰囲気がごく自然に出ていて、その初々しさや、相手の忙しさに慣れていないような心からの気遣いが本当に心地よい。カップルとしてはわりと深めの関係でしょうが、どこか初々しいんですよね。率直な甘えや愛の囁きなどは、本当に魅力的でした。
イラストも魅力的ですし、こんな彼女と一緒に微睡めたら本当に幸せだろうなあと、そう感じさせてくれるような癒しの作品でしたね。
惜しむらくは、(イヤホンでは)ちょっと耳かきがゴリゴリ行き過ぎに聞こえたかなと。それくらいですかね。
実に心地よい作品でした。仕事疲れした方なんかには特にお勧めしておきます。彼女が無性に欲しくなる副作用があるかもしれませんけどね。