รายการรีวิวทั้งหมดของ 白面神官

洞窟王という紋章をきっかけに主人公が文字通りの『島流し』の憂き目にあったところから始まった本作。

今回はその無人島で仲間になったゴブリンから(出店宇生先生の高い画力もあって)美味しそうなアップルパイを振舞われるところからスタートします。

服や食事に頭を悩ませつつもいつものように採掘に励んでいると、蜘蛛の魔物が現れ仲間に。
彼らは作物がよく育つ土を作れるようで、結果的に鴨がネギならぬ、蜘蛛が畑を持ってやってきたという事態になるのでした。

再会を果たし楽しく話をしている、そんな時にヒロインにとっては無論のこと、おそらく読者にとっても無粋で最悪で空気の読めない来訪者が来る・・・というエピソードでございます。

同じ再会でもここまで対局なのがほぼ同時に来るというのはフィクション全体で見ても極めてまれなケースでございましょう。

当然ヒロインの気分は最悪なものに。
というか彼はもはやヒロインを不快ににするためだけに生を受けたのではないかと思えてくるレベルでございます。

再会して早々、ワインにチーズ、スパゲッティなどを交えての楽しい会話がスタートしました。
本作の世界にも食べ物をシェアするという概念はあるそうです。

後は真っ赤なチーズなんてのも。
赤いチーズと聞くと、火炎系のブレスを吐き出しそうなイメージがあります。
赤いだけあってか、赤ワインに合うとのことでした。

そして今回、ようやくヒロインが正式に自己紹介をするのでございました。

大通りのおしゃれなお店でメニューを見ているときに、その人物との再会は果たされました。

イメチェンしていたのにもかかわらず、ヒロインが男のふりをしていたことまで一発で看破するというおまけ付きで。
彼はどうやら鼻が利くようです。
ヒロインは香水もつけず、風呂にも入っているシーンもあるので下手すると警察犬並みの鼻かもしれません。

それはさておき、この国の食事はかなりレベルが高いそうで。
そういう意味でも再会の場としては最高といえるでしょうね。

その能力により病の正体を見破り、治療薬の作成にも成功した主人公でございますがいかんせん、中身はどうあれ彼は子供。
治療を申し出るも周りの大人たちのある意味では悪意のない妨害にあってしまいます。

そこへ助け船を出したのは誰あろう皇帝本人でございました。
当然、主人公の正体や経緯など一切知らないのにでございます。

死の淵にあってもなお曇ることのない目を持つ彼女は流石一国を統べる存在だと素直に感心させられました。

皇帝の病状は深刻で、呼ばれた主人公の父親が麻薬による消極的な治療を行い、『今夜がヤマ』などと言われる始末でございました。

しかし前世では『病をなくそう』という大志を抱いた主人公。
一度は父親の顔を潰すまいと自重していましたが、そんな彼が目の前で死出の旅に出ようとする患者を黙って見過ごすことなど到底できるはずもなくついに行動を起こします。

皇帝にしてみれば最後の希望とも言うべき彼の活躍が気になります。

容体が急変した皇帝の下へ騎士同伴で颯爽と駆け付ける・・・という内容になっております。

主人公の家の命運を左右する案件なだけに、先の展開の予想が出来ていてもなかなか緊張感あふれるシーンとなっております。

皇帝というのでそれなりの年齢の人物であると想定していましたが、何と存外若い女帝であることが今回判明いたします。

昼食後、主人公が読書をする傍ら、侍女と一緒になって鼻で遊ぶ妹という穏やかな時。
そんな穏やかな1シーンを皇帝の容体急変という一報が強制終了させます。

妹にたくさんの花輪をかけられる主人公の姿を想像すると何とも微笑ましい限りでございます。
それにしても、どれほどの数をかけられたら花輪が『重く』感じるほどになるのでございましょうか?

主人公の尽力の甲斐もあり、妹の病気は無事に完治。
その後更なる能力が判明しますが、あまりに多くの便利な能力を持っているため主人公自身、その能力に恐れを抱き、リスクがあるかもと警戒し始めます。

ちなみに今回、読者のために現在判明している能力の一覧がございます。

ガラスを砕いてあぶって何かを作るのでございますが、何を作ったのか非常に気になるところでございます。

法で裁けぬ極悪人たちに、業火と氷点下の制裁を下していく二人を主人公とする物語。

今回は本作でも個人的に特に思い出深い『命に群がる蟻』が収録されております。

移植を待つ病気の子供と主人公たちが出会ったことから始まるエピソードなのでございますが、幼い子供がらみということもあって二人の気合の入りようが凄まじいんです。

『蟻一匹逃がしはしない』『こんなに心が痛まないのは初めて』というセリフもいい味を出しております。