エリザベ子さんのレビュー一覧
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投稿数ランキング | 33位 | (総レビュー数:242件) |
ケンシロウとラオウの死闘は相打ち寸前の痛み分けという形で幕を閉じます。常勝の伝説が終わったことで拳王ラオウの権威は失墜し、その帝国は崩壊。ラオウは捲土重来を期し、満身創痍の身体を忠実な愛馬「黒王号」の背に委ねて去っていきます。後に残されたのは、ラオウに秘孔新血愁を突かれて残り三日の命となったレイの苦悩。マミヤは確実な死へと刻一刻と近づくレイの苦痛を和らげる薬を求めてメディスンシティーに旅立ち、マミヤを愛するレイは彼女を追うことに。ケンシロウもレイに同行し、メディスンシティーで人間の命よりも犬を優先する狗法眼ガルフの手に落ちたマミヤを救出。あれほど犬を寵愛していたのに、ガルフの最期はケンシロウにボコられた末に頼みの愛犬におしっこを引っかけられるという惨めなものでした。再会したマミヤに戦いをやめることを勧めたレイは、彼女の肩に彼と同じ南斗六聖拳の一人であるユダの所有物だったことを示す「ユダの紋章」を発見し、マミヤをその呪縛から解き放つためにユダとの対決を決意しますが、その矢先、秘孔の影響で崩壊を続ける肉体は悲鳴をあげてあえなく昏倒。トキに激痛と引き換えに秘孔新霊台を突いていくばくかの延命を図るか、マミヤが手に入れた薬を飲んでひと思いに死ぬかの二者択一を示されたレイは、迷うことなく前者を選択。愛する女の心に己の存在を刻むために、死よりも過酷な苦痛に耐えるレイの気高い姿は読む者の心を揺さぶるでしょう。
2023年10月31日
初めてのセックスをバイトの同僚たちの面前で済ませ、すっかり恋人気取りでほのかをちゃんづけで呼び、その肩に手を回して二人で自分の家に行くことを喜多方とミサに告げる平井。喜多方は戸惑いつつも満更でもなさそうな表情で一夜をともにすることを承諾するほのかが平井と去って行くのを見送りながら、ほのかを飲み会に連れてきて平井が暴走じみた告白を成功させるきっかけをつくったミサへの恨みがましい感情をもてあますことに。そんな喜多方の気持ちを知ってか知らずか、ミサは終電後を理由に喜多方をラブホに誘います。トンビに油揚式にほのかを目の前でさらわれたことでやけになった喜多方は誘いに応じる一方、シャワーを浴びてバスローブ一枚になったミサがベッドに横たわるのを目にしてもほのかが頭にちらついて手を出すには至りません。グイグイいきすぎてドン引きされたと思ったミサは、それまでの小悪魔的な態度から一転してしおらしくなり、恋する乙女の表情で喜多方に迫ります。スレンダーな肢体の魅力はそのままに、処女のように頬を染めておそるおそる喜多方の出方を窺うミサが初々しくてエロいです。
2023年10月30日
カサンドラで次兄トキとの再会を果たしたケンシロウ。病身のトキをいたわりながらリンやバット、レイの妹アイリのいる村に帰る道中に立ち寄った集落は、長兄ラオウが差し向けた「拳王侵攻隊」の攻撃で壊滅状態に陥っていました。リンたちの村にも侵攻隊が姿を現し、拳王ラオウへの忠誠を拒否した村人が炎で熱した舞台の上で踊らされ、焼き殺されるという惨事が発生。リンは身に迫る捜索の手に怯えるアイリを励まし、兵士が近づくと見るや咄嗟にアイリに布をかぶせて注意を引くために棒きれで抵抗。かつて両親を殺された悲しみのあまり失った言葉をケンシロウの優しさに触れて取り戻した少女が、他人を守るために身を捨てて戦う姿に惹かれます。その並外れた強い意志は死をもてあそぶ侵攻隊のザコどもの前でもぶれることなく、忠誠の要求を敢然と拒絶。アイリの身を案じ、ケンシロウたちと別れて一足先に村に急行したレイは、すんでのところでリンの救出に成功します。彼の弱みだったアイリも、リンに鼓舞されて戦うことを力強く宣言。「もうおれに弱点はない。アイリはおれから離れた」というレイの言葉に胸が熱くなります。
2023年10月28日
2023年10月27日
次兄トキの行方を追って「鬼の哭く街」カサンドラを訪れたケンシロウ。そこに君臨するのは難攻不落、決して囚人が生きて出ることが叶わないカサンドラの生ける伝説を自称する獄長。街の門の衛士を務める兄弟・ライガとフウガの二神風雷拳を退けたケンシロウは、二人の目の奥に哀しみを見出したが故に命まではとらず、意気に感じた二人の手で押し開けられた門をくぐって街の中へ。今までに処刑した囚人たちの墓を指し示して悦に入る獄長に、ケンシロウは墓に入れるように小さくたたんでやると言い放ちます。獄長は両手にもった無数のムチをしならせて殺到し、首尾よくケンシロウの身体を縛り上げたところで、逞しい二の腕を露わにしてショルダータックル。にわかに巨大化した獄長の前にケンシロウが華奢に見えるほどですが、これは獄長にとっては非常によくない徴候といわなくてはなりません。北斗の拳の作品世界においては身体の大きさは必ずしも強さに直結せず、寧ろケンシロウを「チビ」と罵ってイキっていた巨漢のザコは例外なくその直後に爆裂死を遂げているからです。案の定、獄長がケンシロウを吹っ飛ばして勝った気になっていたのは最初だけ。ケンシロウはすぐに立ち上がり、北斗鋼裂把で獄長自慢の鋼の二の腕を破壊し、容赦ない拳の連打を顔面に浴びせて小さめの墓穴に獄長を叩きこんでノックアウト。真顔で軽口を叩くケンシロウの凄みが遺憾なく発揮されたエピソードです。