詳細を表示しないさんのレビュー一覧

ガララスがシルヴィアに放った一言が面白かったです。
もっと他に丸く収める方法があったのではないか、と聞いていました。
目撃者を消すのが手っ取り早い方法だったのではないか、そう言いたいことが見え見えです。
ラスボスらしい考え方だなって思いました。

主人公は見た目通り、純粋そのものといったところ。
友人ができた時点で涙を流す程です。
ラスボス達が接し方で混乱するのもわかる気がします。

あと、立派な戦士で吹きました。鍛えすぎて別の何かになっているのが面白過ぎでした。

お化けが関係していない話もいくつかありました。
どれも強烈だったからか、強く印象に残りました。

わかりやすいのが5番と6番です。
前者は作業の工程で発生したミスといったところ。不運としか言いようがないです。
後者の方は色々な事情がありそうです。怖い背景が思い浮かんだせいか、背筋が冷えました。

10番は生命の神秘って感じです。
珍しいこともあるものだなって思いました。

29番はストーカーではないかと。
別の意味で怖過ぎです。

54番も違う意味で怖過ぎる話です。
奇跡が起こることを期待しています。

72番は笑ってしまいました。
お化けというより、誰かがこっそりとイタズラしている気がします。


百物語ゆえに、大半はお化けが関係している話です。
どれもかなり怖い内容になっているので、明るい時間帯に見る方がいいかもしれません。

早紗が驚いているシーンが面白かったです。
紫亜も見えるということで、天使が見える人が二人いると驚いていました。
それはわかるのですが、お清めの塩を大量に撒いているのは何か変です。
シュール過ぎるからか、見ていると笑ってしまいます。

紫亜を布団に寝かせたシーンも面白いです。
猫も布団に寝かせているのがシュールでした。
お清めの塩が効果抜群だったみたいです。
お化けに近い存在なのかなって思いました。

その猫も早紗が見えていました。
魔法で生きている存在って感じもします。

勇者は人間のやることじゃない、と言うシーンが面白かったです。
勇者としての人生を終えると、60年後に再び記憶を持ちながら生まれます。そして勇者としての人生を再び始めることになる、と書かれていました。
彼はこれを無限地獄と言っていたので、おかしくて盛大に吹きました。

冷静に考えると拷問に近い設定です。
記憶があることがそれに拍車をかけています。
まともに動けるのが彼だけになったのもわかる気がします。

聖剣を受け取った時に、以前の持ち主からのメッセージも込められていたみたいです。
ここの場面は勇者が村人になった自身に、何か伝えているように見えました。
不完全でも実現とは、そういった意味があったのではないかと。

勇者が石板を読むシーンが印象に残っています。
数万年以上前からあると言ってますが、石板に書かれている文字は日本語です。
その頃に渋谷区は存在しなかったです。
何かがおかしいなって感じます。

異世界で時間が経過したとしても、現代社会の方は時間が流れていない。
そのことを誰かが伝えたかったのではないかと。

ゲームの世界にいるような気もします。
転生した者は必ず勇者になる、そういう設定になっている世界です。
厳しい戦いを強いられるので、勇者にならないように願ったのもわかると思いました。

五百年前の勇者の話を聞くシーンが面白かったです。
エルフと獣人が争うきっかけとなった出来事から始まり、聖剣を持った勇者の登場へと繋がっていきました。
老師が勇者と友人になるのも納得といったところ。
ずっと一緒にいたのなら当然です。

その後は、読んでいて悲しくなりました。
勇者が転生しなくなったからです。
色々とどうでもよくなった、と感じたのもわかる気がします。

一番印象に残っているのが、老師が主人公の姿を勇者と重ねているシーンです。
全くの同一人物、やっていることも勇者そのものです。
これが全ての答えにつながっているかもしれないなって思いました。
(恐らく、賢者が何かやったのでしょう。そうとしか考えられないです)

主人公が千年じゃないと突っ込むシーンでちょっと吹きました。
気持ちはわかるのですが、大昔のことを正確に思い出すのって結構きついです。
確かにコツが必要なので、老師の言い分が正しいなって思いました。

老師が村人になると言い出したシーンが面白かったです。
その発言の意味が詳細に書いてありました。
王位も身分も捨てることを意味することを。
世捨て人になるのと同じなので、凄い設定だなって思いました。

村の名前は第二リュート村になった模様。
獣王を倒した者の名です。
最強伝説として延々と語り継がれる気がします。

そこに住む者達は、世間のしがらみから完全に引き離された位置にいます。
何をやるにしても自由です。
羨ましい設定だなって感じました。

獣人の国が傾くきっかけを作ったのは獣王です。今の状況は、彼が破壊の限りを尽くした結果のようなものでしょう。
どんな人物だとしても、リズにとっては血の繋がりのある祖父です。
別れを悲しむのは当然だなって思いました。

最初に出てきたシーンは獣王の過去です。
戦いながら過去を思い出しているみたいです。
走馬灯を意味しているので、読んでいるうちに気持ちがしんみりしました。

違う未来もあったのかもしれません。孫と祖父が手を取り合う未来が。
それを崩したのは賢者です。
彼こそ倒すべき敵のような気がします。

主人公がラストでこう言いました。
巨大化は負けフラグ、と。
変な理屈を言っているのがおかしくて少し吹きました。

敵が巨大化した場合は、紆余曲折を経た末に勝っているパターンが多いって印象です。
味方側も巨大化したり、何らかの手段で小さくさせたりなど、色々な方法を使って勝つって感じです。
結構マニアックな知識なので、主人公は漫画好きかもしれないなって思いました。

主人公がそこにいる時点で勝敗は決まったようなものです。
しっかりと締めてくれることを期待しています。

動物の本能だなと思ったのは、牛の獣人が倒されたシーンです。
動けなくなった時に、やっとこの身体から解放されると言っていました。
エルフによって傷が治った後は、動けるなら戦うのみと語気を荒げています。
どちらも動物の本能としか言いようがないので、見ていて気の毒だなって思いました。

相手は猪突猛進型の獣人、それゆえに考えるよりも行動することを重視しています。
説得が成功して欲しいですが、難しいところです。