作品内容
《さまざまな労働トラブル》
若手社員が長時間労働やパワハラによって、うつ病や過労死に追い込まれる問題が社会的に注目を集めています。しかし労働トラブルは、入社後に初めて直面する問題ではありません。
アルバイトでも、無理やりシフトを入れられる、時間外にタダ働きさせられる、ノルマを与えられ達成できないと自費での購入を迫られる、辞めさせてもらえない、などの問題が表面化しています。厚生労働省の調査では、アルバイトに従事した大学生らの6割が何らかのトラブルを経験したという結果が出ています。しかしながら、多くの学生は労働契約を結ぶという認識も薄いまま、アルバイトを始めているのが現状です。
就職活動の前に参加の割合が高まっているインターンシップでは、実務に携わることもありえますが、労働者としての位置づけにはないことが多く、安価な労働力として都合よく使われてしまうリスクもあります。
就職活動においては、内定を出す条件として他社の選考の辞退を求められるといった問題が注目を集めています。内定後に泊まり込みの研修への参加を求められる、入社前に資格取得を求められるなど、卒業論文や卒業研究に支障となる事態も生じています。
入社後には、聞いていた労働条件と違う条件を押し付けられる、長時間の残業を求められるのに残業代は一定時間分しか申告できない、といった問題が起こりえます。
《労働トラブルに備える》
本書では大学入学から卒業・入社後までに直面する可能性がある労働トラブルについて、順を追ってわかりやすく解説しています。学生の皆さんには、アルバイトを始める前や就職活動を始める前から本書を手にとっていただきたいと願っています。トラブルの予防や適切な対処には、一定のワークルール知識を身に付けておくことが重要です。