作品内容
夫と結婚して4年。子どもはまだできません。そして私は義母とご近所さんから「不妊の嫁」と呼ばれています――
長男である夫が実家の家業を継ぐため、義実家のそばに住むことになった。台所は義母の住む母屋にしかない。ほぼ同居だ。
「嫁いだ嫁っていうのは、死ぬまでみんなのご飯を炊くって決まっているのよ。昔から」
「外の勤めはやめなさい。このまま仕事続けたら、あなた一生子どもできないわよ」
「今月の《まぐわい》はいつなの? 病院から帰ってきたら報告しなさい」
毎日毎日、義母が私を責め続ける。なぜなら、私ができそこないの《長男の嫁》だから…。