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発売前に確認した作品の内容からして、不穏でシリアスな内容である事は覚悟していましたが、再生開始から漂う空気感や、猿飛さんのお芝居、間合いの取り方、会話のテンションがリアルなだけでなく、良からぬ事を予感させる雰囲気に飲まれます
暴行事件があった事を話した時、部屋に人が入った形跡があった時、本当に優しくて、心配してこちらを思ってくれているのは伝わるんですが、昔話や、自分が昔、ヒロインの家の近所に住んでいた事を話す時でさえ、氷室くんの話し方は常に冷静沈着、どこか遠くから俯瞰して眺めているような、淡々とした口調で…後に発現する彼の秘めた狂気を過剰に覆い隠しているような、少し不安な気持ちにさせられる
一緒に暮らすようになって1週間で、初めてのセックスをしますが、可愛いと言いながら優しく抱いてくれるんですが、所々に狂気が見え隠れして、でもまだ本性を出し切ってないので、なんだか未知の生物に体を蹂躙されているような…そんな感覚に陥ります
暴漢に襲われた後に、無防備になっていたヒロインが怒りを滲ませた彼に無理矢理抱かれますが、この時に初めて感情をむき出しにした氷室くんが見れます
一見はこれまで通りの普段の彼と変わらず冷静で淡々としてるんですが、端々に怒りと狂気が感じ取れる
更には会話とセックスが進むにつれて、少しずつ、でも確実に感情が剥き出しになっていって、これが本当の"氷室薫"なんだとゾッとさせられます。この氷室くんの感情と本性を少しずつ徐々に露にさせていく、猿飛さんの繊細なお芝居に感服です
怒りのセックスの後、"恋人"としてのセックスをし直しますが、これが1度目とのセックスより彼が興奮していて、陶酔しきってる様子なのがまた怖い
翌朝、寝ている所を犯されながらプロポーズされますが、首を絞められながらなのでyesと言うしかない
猿飛さんの繊細なお芝居が狂気にガッチリハマっていて、とても入り込める作品でした。