玲央くんの常連客で、玲央くんにいろいろ相談していたヒロインちゃん。創作作品のちょっとしたファンになっていた玲央くんと創作活動のために期間限定の契約結婚をします。玲央くんの出した条件を呑んで。

いざ新婚生活を始めると、家事をやってくれたり誠実な面があったり、身体の相性も良かった玲央くん。玲央くんの帰りが遅くなったときにヒロインちゃんは不機嫌になるのですが、膨らんでいた本当の気持ちに気づかぬふりをして。そして、お互いの本当の気持ちを告白して、本当の夫婦になるというハッピーエンド。

玲央くんの性格が好きな子にはいじめたくなるとあるので、実ははじめからヒロインちゃんのことが好きで、偽装夫婦になってからそのことに気づいたのかなと思います。二枚貝ほっきさんのSっけのある部分と気遣ってくれる部分の演技のギャップがすごく良かったです。

なによりもまず言いたいことは、条件の言いかたがとってもやらしい!!
ぜひ注目して聞いていただきたいです。少し声を潜めてるのがまたやらしいんだあ…
ヘアサロンでそんなえっちな事話すんじゃあないよ!!!(いやー、本当に最高ですわ)

「お互いに都合が良いから」そんな冗談みたいな理由で結婚したこの2人ですが、最後は微笑ましいハッピーエンドで良かったです!

彼の勤める美容院を訪れるところからお話がはじまります。
小説家である主人公は成年向け恋愛小説を書こうとして、スランプに陥っており、彼に相談をしている最中に打開策として期間限定で結婚してみようかという流れに。
相手になってと彼に言えば、結婚願望はないものの、先々の親からの干渉除けになるかと一考してくれて、ある条件が飲めるならと承諾してくれます。彼が主人公の家に転がり込むことに。役所に書類を出してしまえば夫婦としての体裁は整うし、勢いで初夜もと進めて彼が自分好みに誘導したりと身体の相性も確かめますが、その後の二人の間は微妙な感じ。それでも同居はうまくいっていて、彼も時間のある時は家事をしたりします。
同僚と出かけたり、新人への教育で遅くなったりする彼に対してもやもやをぶつけてしまいますが、その気持ちは言えず…。小説のプロットも通り、期間限定結婚の意味は薄れると、彼から貴方はどうしたいのと問われます。
わざとではなかったのですが、主人公の気持ちをたきつけるために彼はあえて誤解を解こうとはしてなかったんだなぁと思いました。策士…。結局は彼が自分の気持ちを口にするのですが。
思いを確かめ合った後もラブラブで、結婚式や新婚旅行を話し合う彼の口調が浮かれていて微笑ましいです。幸せいっぱいな感じです。
声優さんの御声は低め、親しみやすく軽めの口調でさらりと口説き文句を伝えられます。照れた様子はなく、事実を告げているだけという、いっそ素っ気ないくらいの態度が男らしいです。
ストレートに愛だったり気が合うことだったりを伝えてきつつ、身体も心も絡めとろうとする狡猾さも備えています。目端の利く彼の、ソフトでありながら退かせない、実は強引な愛を感じたいときにおすすめです。

効果音が極力少なくしてあるお陰で、音がない間の切ない気持ちや動作を想像する楽しみがありました。
自分が主人公だったら、この瞬間に「こんなことを言いたい」「こんなことをしてみたい」と考えてしまいます。
美容師でプレイボーイなら、チャラそうなものですが、包み込むような言動と低めの声が新鮮で素敵でした。
プロフィールには「好きな娘はいじめたくなるタイプ」と書いてありましたが、男性の気遣いに溢れる言動にふれていると優しい人にしか思えません。
収まるべきところに収まって良かったです。