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前編から二年の時を経て再会する二人のお話。

時の流れというものには逆らえないもので、にゃあにゃあふにゃふにゃしてるアレックスくんはもうココにはいません。
お義姉様の前だけで見せてくれる義弟としてのベビーフェイスに油断していると容赦なく噛み千切ってくるので、世のお義姉様方、くれぐれもご注意を…あ、もう時既に遅しでしたか、申し訳ない。

逃げるお義姉様、それを追う義弟のアレックスという後編の図式。
ただまず根本として理解しておきたいのが、お義姉様は決してアレックスが嫌いで逃げているのではないというところ。

全ては神の啓示から逃れる為、そして可愛くて愛おしい義弟を守る為。
だからこそ彼を縛る事となったとしても、テイラー家当主としてアレックスが真っ直ぐ生きていける道へのレールを敷き詰めて去って行ってくれたんだよね。

そのあまりの周到さと有能さに絶望しながらも、先々まで両隣に高く積み上げられた壁を己の力でぶち破ってお義姉様の目の前へと再び現れたアレックス。
「僕の生きる理由でいてください」
この台詞に、彼という存在を形成するなんたるかの全てが込められていると思いました。

前後編を完走しこれで一件落着…?とホッとしているところに、同梱のSSとシナリオ+αで己の概念をぶん殴られに行くところまでが本編と言えると思っています。
アレックスという人間の義弟として、テイラー家当主候補として、そしてお義姉様を愛する一人の男性としての真髄に触れる事により、この物語の「意味」をリスナーそれぞれが見つけられるのではないかな、と。

そしてwarm bathさんはまさにココ!という痒いところへ手が届く部分を、SSという形でCi-enで公開して下さっています。
そちらにも併せて目を通していただけると、作品への解像度が一気に爆上がりするので大変オススメです!