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「脳がトロける吸血発情×執着ダダ漏れ共依存レイプ→ラブ堕ちえっち ~長年探した運命の相手だと分かって絶対に逃しません~」 へのレビュー

    • 高貴で妖艶、そしてどこか憂いを帯びていて儚い。
      そんな「吸血鬼」という言葉が持つイメージをそのまま世界観として表現したような、美しくも淫猥な物語。

      吸血鬼アルノードの獲物として選ばれた自分。
      美食家ゆえに望まぬものは口にせず、薔薇の朝露で空腹を満たしていたというのが、彼という存在の美しさをより際立たせているよね。
      だからこそ今こうして求められている自分は特別なのだという事実にも、ドキッとさせられてしまう。

      今思えば初めの前置きなしに耳奥に響くリップ音から、もう既にアルノードの甘く淫靡な世界の中に囚われ、逃げられなくなっていたのだと思います。
      数百年探し求めていた至高の餌を、より甘美なるものとする為に容赦なく与えられる快楽。
      抗おうにも凶暴なまでに牙を剥いたその熱に翻弄され、自分自身の知り得ない部分まで全て暴かれていく愉悦。
      けれどそこへと導いてくれる彼の手が優しく感じられて、安心してどこまでも堕ちていけちゃうんだよなぁ。

      こちらのライターさんと言えばなペロ特化は、今作も健在。
      行為中はもちろんの事、吸血行動も相まり、まさに濃密なリップ音の宝石箱。
      その一つ一つにアルノードの感情が乗せられて心に響き、八神さんの表現力の豊かさに改めて唸らされる内容でした。
      このノーブルな雰囲気を漂わせながら口にする直接的淫語が、ギャップ込みでエロさに拍車をかけてるんだよね。

      そして、食事という名目のはずの行為の中に徐々に孕んでいく甘さ。
      彼が過ごしてきた孤独な時間が垣間見えるような切なくも美しい愛の言葉たちに、見事に心を掴まれました。

      いわゆる快楽堕ちとも言える結末ではあるのだろうけど、闇の中に堕ちていくというよりは、アルノードが魅せてくれる新しい世界へと降り立っていくような印象でした。
      例えその羽根が実は切られており、彼の側から離れられないのだとしても、ね。

      永久に彼が作り上げた真綿の檻の中で、愛されて幸せに生きていこうね。

      40人が役に立ったと答えています

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