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生きる事を諦めたヒロインと、彼女を生かそうとした美しい土地神様のお話。

物語の結末がハピエンとバドエンの2つありますが、私はバドエンから聴いた方が良いと思いました。

モラハラDV男に家を追い出され、絶望して人生を終わらせようと山奥に入ったら土地神のミズキ様に捕まってしまい、お食事にされてしまいます。

その土地神ミズキ様が美しいんです。
声に気品と有無を言わせない圧があって、逆らうなんて無理だと思い知らされます。

「私がお前に飽いたら願いを叶えてやる」と言われ、贄として精気を奪われる彼女。
でも酷い事はされません。幽閉といっても牢に入れられるわけでも、拘束されるわけでもない。好きな草木の手入れをして過ごす、羨ましいくらいのスローライフです。

ミズキ様がヒロインの事を好きなのは一目瞭然なんですよ、そして彼女も。
でもお互いにわざと壁を作り、気持ちを合わせるという事をしない。
口吸いを避けられたり、自分への気持ちをはぐらかされた彼女の気持ちを思うと胸が締め付けられました。
誤解やすれ違いを抱えたまま、物語は分岐します。

想いを秘めたまま彼女の「願い」が叶う結末は辛かった。
薄れていく着物の残り香を抱きしめるミズキ様を見ていられなくて。
彼女が遺したハナミズキとその花言葉に涙があふれました。
これはこれで正解だったのだと思いたい。

想いを伝えるハピエンは、バドエンの涙を一掃してくれます。
彼が口吸いを避けた理由も、好きと言えずに気持ちを押し殺していた理由も、彼女の本当の気持ちも全部明かされてバドエンとは真逆の熱々な口吸いに赤面です。
彼女にフェラされた時の反応が最高でした♪

そしてその後の二人の選択にびっくり。
スマホどころかカメラも知らず、ヒロインの話に首をかしげていたミズキ様がドヤ顔してる･･･可愛すぎでは?
バドエンでの涙がすっかり乾いて微笑んでいる自分がいました。 最後の呼び方、ズルいんだから!