まず初めに、晶紀お兄ちゃんは他のお兄ちゃんと違って妹に対して「お金を払って延命治療をする」という最善の選択をしているからこそ、この結末になってしまうのが苦しい。妹に対して吐く恨み言も、全部彼の本心だけどやはり家族としての情が残っているのが声色や言葉選びから伝わってくる。そして、βルート視聴の感想ですが、思っていたより彼は妹の「お兄ちゃん」で居続けてくれていた。そしてβルートは明らかに彼が自己防衛をした結果で、あのまま優しい言葉をかけて妹を見送ってひとりぼっちになってしまったら、死ぬか、空っぽのまま生き続けるかの2択しか彼には残されないことになってしまうと思うんです、多分。だから「出来の悪い妹がようやく死んだ」と自分の頭に刷り込ませる為の"嘘"とまではいかないけど虚言?なんて言ったらいいんだろう、自己催眠みたいな感じなのかなあと、思いました。
最後に、全部聴き終わった後に再生する「病巣」は精神的にくるものがありました。一生この曲を聴いて、浸って、泣いてを繰り返すんだろうなあ....と。
そして、トラウマバーゲンさんの作品を聴く度に児童福祉に繋げて欲しいなあ、と思います。子供は大人に振り回されずに育っていくべきだし、その権利がある。幼いころ蔑ろにされて育った子供は必ず歪んでしまうから。
(お兄ちゃんだけでなく妹も)死は救いにも、絶望にもなり得る...とても重いテーマだと思いました。全てのお兄ちゃんと妹ちゃんが幸せに暮らせる社会になって欲しいな…