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とある深夜、会社員の美緒は道端で目覚めた。
服は乱れ、肌は濡れ、躰からは自分のものではない、男の汗の香りがする。
明らかに「何者か」に乱暴された後だった。
ふらつく脚で立ち上がった美緒の背に、男の声が掛けられる。
「とっくに終電、行ってますよ」
振り返ればそこにいたのは同じ会社で働くアルバイトの青年、翼だった。
あどけなさの残る屈託のない笑みで彼は言う。
「危ないですよ、夜道に女の人ひとりは。変な男に襲われかねない」
誘われるまま美緒は翼に手を引かれ、一緒に家を目指すことになる。
繋いだその手のひらが、自分と同じ匂いを纏っていることに気付きながら……。
「……ああ、静かでいい夜だ。美緒さんの濡れたあそこの音がよく聞こえる……」
本文約3万7,000字
A5判(縦長)PDF全115ページ