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花咲 四季
貴方の幼馴染で花屋の息子
あなたを薔薇姉と慕っている
高校生
薔薇姉(あなた)
ネームレス主人公
血が嫌いでその代わりに薔薇を食している。
人には誰だって知られたくない秘密がある。
私だってそうだ、私には特に知られてはいけない秘密がある。
それは、私が——吸血鬼ということだ。
今ではみんな消えてしまったか眠ってしまったかで数は少なくなっているが吸血鬼は実在する。
吸血鬼には、番という概念が存在し契約を交わすと生涯番の血しか吸わなくなるらしい。なんでも番契約を交わしたあとその血を飲むと極上に感じるとか。
番契約を交わした人間は吸血鬼の餌用の体へと変貌し、いくら血を吸われても死ななくなり契約した吸血鬼と寿命をともにすることになる。
ダンピールにも番契約が存在し父は母と契約を交わし番にした。
そのダンピールから生まれた私もダンピールで、幼い頃は父と母みたいな関係に憧れたものだった。けれど、人間で言う離乳食みたいなものとして1歳になって初めて飲んだ採れたての血がまずく私は、血が大嫌いになってしまった。
食事を取らなくなった私に困り果てた父は番契約を考えたがまだ私が幼かったからか、血の代用品にトマトジュースなどを飲ませようとしたが、色と匂いが血に似ていて恐怖を感じた幼い私は拒否した。
そして行き着いたのが薔薇だった。栄養は血よりも少ないけれど十分生き延びられるからと。
5歳の頃から私は薔薇を食して生きながらえている。
夕日に照らされた街を走る。日中は陽の光が強いため買い物ができず夕方にならないと活動できないため、いつも閉店ギリギリの時間になってしまう。
実家にいた頃──10年前は人間の母が代わりに買ってきてくれていたのだが、私が自立してしまったため、もう頼れない。だから、こうして毎週金曜日は走っている。
そういろいろ考えていたら、目当ての店にたどり着いたようだった。
「よかったぁ、間に合ったぁ……」
安堵のため息を付きお店に入ると、茶髪の少年が話しかけてきた。
「おせーよ、薔薇姉」
どう見たって私より年下の少年は生意気な口調で話しかけてくる。
「むっ、またそのあだ名で読んだぁ。ていうか間に合ってるからいいじゃない」
「毎週薔薇買うんだから薔薇姉でいいだろ、というま遅いんだよ。来るのが。昼間に来い」
少し荒々しいが言葉の端々に私を心配する気持ちが隠れているのが見える。
「うぅ、お姉ちゃんは悲しいな、昔は薔薇のお姉ちゃんだったのにいつの間にか略されて……若い子は……」
「なっ、若いとか関係ないだろ」
彼の名前は花咲四季。私が通っている花屋さんの一人息子。彼とは私が一人暮らしを始めて、このお店に通い始めてからの付き合いだ。
昔は私のことを『薔薇のお姉ちゃん』と声変わり前の可愛い声で読んでくれていたのだが、年をとるに連れ、薔薇姉と略され生意気な態度をとるようになっていった。やはり思春期だから仕方ないのだろうか。
「薔薇姉、はい準備しといた。薔薇9本」
「9本……?私7本でいつも……」
「2本は俺からの誕生日プレゼント、今週の木曜日誕生日だって、つい先月言ってただろ。2本分のお代はいらないから」
「──」
嬉しくてつい言葉を失ってしまう。
「ありがとう!四季くん!いい子だね!お姉ちゃんは信じてたよ!思春期で素直になれないだけだって!」
嬉しくてうれしくて、四季くんの体に抱きつく。
「はぁ!?てかくっつくな!!暑苦しい!」
反抗の意思を見せてはいるが、無理やり離そうとはしてこないあたり、なんだかんだいって彼も私を好きなのだ。だからいい子いい子と頭を撫でる。
「ちょっ撫でるな……!ばかにするな!薔薇姉!」
「してないよぉ、いい子だからなでてるの」
「うぅ……」
い い子いい子と頭を撫で続ける。
「ねぇ、四季くんありがとう。誕生日プレゼント嬉しいな。今度お返しさせてね。約束」
「おう……」
「じゃあこれお金ね」
7本分の料金をきっちり払って、ドアを開く。
「四季くん!来週誕生日でしょ?絶対お返しさせてね!約束だよ!」
「わかってるって!うるさいなぁ薔薇姉」
カランカランと鳴るドアを閉め、行きは違い私はゆっくりとした足取りで帰宅するのだった。
四季くんと出会ったのは今から十年前。
私がこの家──高校卒業と同時に曾祖母が暮らした家に引っ越してきてからだった。食事のために近くにあった花屋さんに毎週金曜日バラを買いに通うようになった。
そこで、四季くんと出会った。
上の兄弟が欲しかったらしい彼は、常連になった私を薔薇のお姉ちゃんから転じて薔薇姉と呼ぶようになった。
幼い頃は素直で年上の私に甘えてきていたのだが、思春期になると言葉は刺々しくなり甘えが少なくなってきた。
大人になったということなのだろうが、幼い頃から彼を見ていた私的にはさみしく思う。
むかしのことを思い出しながら、花瓶に薔薇をさす。
そして、一本の薔薇の花弁をゆっくりゆっくりちぎり、口に運ぶ。
「はむっ」
ごくっと飲み込むと、甘い甘い香りが喉から鼻に伝う。
「うん、美味しい……」
いつもは1日1本という縛りを設けているのだが、今日は誕生日プレゼントに2本多めにもらったからご褒美として多めに花弁をちぎる。
「あ〜む」
いい香りが漂う。
幼い頃から嗅ぎなれた匂いだが、やはり大切な弟分から貰ったものだからだろうか。いつもより甘く感じる。
その日は、いつもより念入りに味を感じれるように噛み締めながら薔薇を食した。
(略)
どこかでごくっと唾を飲み込む音がした。
「ぃった……!」
気がつくと目の前が赤で染まっていた。
血なんて美味しくなんて無いはずなのに、吸うのをやめられない。
「薔薇姉っなにっして……」
唾液と、血の混ざりあった味が口の中に広がる。じゅるじゅると吸う音と、痛みを訴えている四季くんの声が部屋に響く。
暴れる彼を吸血鬼ゆえの力で取り押さえる
「力強っどこからっ」
だんだん蒼白になっていく彼を尻目に血を吸い続けた。
ちゅうちゅうと蜂が蜜を吸うように、逃がしてたまるものかと体を上から抑える。
美味しくないけれど、体がそれを求めてる。長年取っていなかったから、欲しくてほしくてたまらないものの味。
楽しくて楽しくてたまらない。殺したらいけない。殺したら飲めなくなる、もっと不味くなる。鮮度が落ちる。
刹那──ふと我に帰った。
「ぁ……?あ……っああああああ!!!!」
私一体なにをしていたのだろう!だって人を襲うなんてあってはならないことだ!間違えれば殺していたかもしれないのに……!!大切な大切な存在を!
「薔薇姉、やっと正気に……もどったのか……?」
「四季くん、わたしっわたしっ!!!!」
言葉が詰まり涙が溢れる。私が加害者で彼は被害者なのに、泣く私を安心させようと青白い肌をしているのに寄り添ってくれる。
私のほうが歳上なのに、甘やかされている。その不甲斐なさが情けなくて申し訳なくて涙が止まらない。
「でもっ私っ」
「いいから!!!安心して、ばら……ねぇ……」
そう告げた途端バタンと音がして倒れてしまった。
「四季くん……!?四季くん……!!!」
そばに駆け寄ると、寝息を立てて寝ていた。
「良かった……生きれる…生きてる……」
それに安心して私も気を失ったのだった。
(略)
吸血中毒だ。母が稀になっていたモノ。
「しき、くん……?」
「薔薇姉、俺、欲しくてたまらないんだ。なぁ良いでしょ?薔薇姉の全部が欲しいんだ。」
熱を持った手が私の頬を撫でる。
それが妙にくすぐったくて、気持ちよくて怖くてどうしたらいいのかわからない。
「四季くん……」
吸血中毒は出すまで終わらない、母のときは父がしていて仲がいいものだと思っていたけれど、四季くんは私しかいない。私が原因だから。
「いいよ、四季くん。全部あげる。私が原因だから」
そういった途端噛みつくようなキスをされた。
「んんっ」
口の中にまだ残っていた血の味が混ざり合って、嫌な味がしたけれど四季くんならと思った。
「しき、くん」
「ごめん、薔薇姉止まれない」
キスをされながら、胸を触られる。
寝巻きごしに、乳首周辺を撫でられその度にピクンと体が跳ねる。
「薔薇姉かわいい〜、もっと触ってあげるねっ」
そういった瞬間服をめくられ下着をずらされた。
「なっ……!」
「全部くれるんでしょ?だったら、こっちも」
胸に顔が近づく。何するのと言おうとした瞬間胸が噛まれた。
「ひゃっ」
こりこりと、蕾を噛まれるたびに甘い声が自分から漏れ出す。初めての経験で恥ずかしくて、わからなくなってしまう。
「薔薇姉きもちぃの?じゃあ噛んでない方も可愛がってあげるね」
「なにぃ……」
ぐりっと、噛まれていない方を摘まれてさわさわと触られる。
フェザータッチだろうか、それぐらいの知識しかないが触るか触らないかぐらいのところをずっとされ続けて、頭がおかしくなりそうだ。
「四季くんそれ、やぁ」
「え〜そうかな?でもっ薔薇姉のここ、いやがってないみたいだよ?」
「ぁ」
ぐりっと、膝で割れ目を触られる。
じわじわと濡れ始めているのが恥ずかしくて見て見ぬふりをしていたけれど彼にはお見通しだったようだ。
「うぅ」
「薔薇姉、触っていい?じゃないと入れれないでしょ?」
「いいけど、いれるのぉ……?」
「入れなくてもいいけどすぐ、終わらせたいでしょ?」
「それは、そうだけどぉ」
さわさわと、待ちきれないとばかりに下着越しに秘所をさらられ、またどろりと愛液が漏れ出す。
「触っていいから、終わらせよぉ」
「俺も我慢できないからっ、優しくしてやれなかったらごめんね」
下着をずらされ、ずぽっと指を入れられる。
「ひゃ、んんっ」
「薔薇姉きもち?一回いくいくして中ほぐそうね、動画の知識しかないけどごめんね」
ずぽずぽとした音とともに指が中に沈んでいく。それが妙に恥ずかしくて、思わず顔をそむけてしまう。
「薔薇姉、ダメだよ、よく見て。俺の指が薔薇姉を犯してるの」
わざと見せつけるかのようにぐちゅぐちゅとした音をわざとらしく立てられ、それがさらに恥ずかしくて、興奮して思わず中をぎゅ~っと締めてしまう。
「きっつ、薔薇姉も興奮してきてるんだ。気持ちよくなっちゃおうね~」
くちゅくちゅとしたピストンが気持ちよくて、腰が揺れてしまう。
「腰揺れてる」
そう指摘されて顔が赤くなる。
「だって、だって——」
気持ちがいいから仕方ないじゃないかそう言おうとした瞬間だった。
「゛あ゛う…あっあぁああ」
獣のような酷い声が口から漏れ出す。訳が分からず脳が混乱してしまう。
「ここがいいの?じゃあここを重点的に攻めてあげるから一回いくいくして、俺のちんこ入れれるようになろうね」
男らしい指が、中を何度も行き来し、弱いところを重点的に攻められる
だんだん、頭が何も考えられなくなるガラクタになり果てていき、頭が白くなっていく。
「しきっ、くん……しきくん゛あぅぁ」
口から漏れ出すのは必至に彼の名前と嬌声だけだった。
「なに?イキそう?じゃあもっとしてあげるね」
くちゅくちゅと弱いところ擦られるたびに甘い声が口から漏れ出す。
「もっだめっ、へんなのきちゃうっ、へんっ、やぁ……」
頭に火花が散り始める、どんどん視界が、生理的に溢れ出る涙で壊れていく。
「いいよ、いって。気持ちよくなって、薔薇姉」
「ひゃぁ……あぁああ」
ビクンと体が跳ねて、快楽がずっと続く。指を動かされていないはずなのにずっとその甘い感覚が続いているかのようだった。
「イっちゃったね、下着ドロドロ。じゃあ脱ごうか」
吸血中毒でつらいはずなのに、下着をするすると脱がされる。
(続きは本文で)