◇あらすじ◇
──第二次世界大戦終結から数年後の東京。
親戚が営む喫茶店で働く主人公。喫茶店の近くにある家電製作会社で技師として働く祈織とは恋人同士。
ある日、遠方で療養生活を送っていた母が亡くなり、遺品を整理していた時、一通の手紙と美しい金細工が施された椿の簪を見つける。
その手紙には「この簪を椿森村に住む椿家の春鷹さんに返して欲しい」と書かれていた。
母の最期の願いを果たす為、主人公は一人、遠方の椿家を訪れるが、主人公を出迎えたのは、そこにいるはずのない恋人の祈織だった。