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「神父の羊」 へのレビュー
2023年05月19日 TUKUNE さん
このレビューは参考になった x 17人
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ひんやりとした印象の硬質の描線で描かれる、密室の洗脳劇です。 乙女ゲー世界に転生したものの、その配役はモブの、身寄りの無い村娘。元から平凡な自分にあきらめがあった様子のヒロインは、そのままゲームのストーリーとも関わりを持たずに、相互扶助的な村の日常の中で、目立たないながらもそこそこ明るい日々を送っています。 村の教会にはイケメンの神父様。ゲームの攻略キャラですが、ルートに入らなければ田舎の神父になって人々に尽くす事になる、温厚そうな若者です。村娘も、彼と日常的に言葉を交わし世話し合う関係に、満更でも無い様子。就職が決まり村を離れることになり、神父様に報告に行くのですが… ここから、村娘の受難と、諸々の裏事情の噴出が始まるのでした。 神父がこの村に来たのは偶然ではありません。全ては、小さな頃に見初めた村娘を手に入れるべく男の長い長い計画だったのです。初恋の執着恐るべし☆ 媚薬を盛られ、若く健康的な娘に加えられる凌辱。整った美しい肢体の描画、抑え気味に、熱気と注がれる快楽をを漂わせる表情、とても綺麗な仕上がりの画面です。 被害を周囲に訴えたものの、社会的信用で全く敵わない神父に村人は「悪魔憑きの戯言」と言い包められ、村娘は教会の一室に監禁されます。 都合の良い情報と誘導を耳から刷り込まれる、媚薬凌辱の日々。 一見日常に満足している村娘の元々の心底に蟠っていた「意味のある存在になりたい」「しっかりした居場所が欲しい」という劣等感の反作用のような思い。 日常の人間関係から切り離されてひとりにだけになった時、その心は執着してくれる監禁者への依存へと傾いて… こういった破滅的な心理劇は作者様の得意とする様子。 男性向けフロアで販売中の前作での、自分優位のセフレの筈だったサキュバスの淫乱の本性に直面した少年の混乱なども、読みごたえがありました。 執着と依存の心理劇が興味深い味わいのお話。良いものでした☆
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