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「姉と弟」 へのレビュー

束縛の真相

2023年07月03日   TUKUNE さん

このレビューは参考になった x 10人

両親を火事で失い、曲折あって今は姉弟だけの同居で暮らしている、大学生のふたり。
おっとり純朴で基本受け身な姉は、生活全般にやんわりと「圧」をかけてくる弟の、インモラルな束縛から逃れられない~物語はそんな風景から始まります。
これは、ある姉弟の禁断の関係の、特異な真の姿を説き描いた物語。

許されない関係の裏にいつでも潜んでいる脆さ危うさを打ち消そうとするかのような、丁寧に女の反応を窺って進む行為。「次はこうしていい?」「あげた下着を着けていてくれて嬉しい」…、ちょっと多弁で、相手に事細かに気を配っている感じが良く出ている弟君の言葉。
姉も、拒否出来ないもやもやした気持ちを抱えながらも、馴れた性戯に抵抗も無く呑まれて行きます。

真面目なお姉さんが、快感に表情をゆるめ喘ぐ様は刺さります☆ レディースのキレイ寄りの美しいボディーデッサン。ラフな描線とのマッチングでちょい気になるコマがあったりはしますが、トータルではダイナミックなポージングもさらりとこなす、やっぱり上手な書き手です☆

頁が進むにつれだんだんと、姉弟の関係のホントが見えてくる、語りのしっかりした構成は巧いの一言☆
流行の格言に「進めばふたつ」なんてのがありますが、自分から進んで取って周囲に油断なく目を配って、姉との暮らしを大学生の身でがっちりと守っている弟君の意思と才覚は、ヒーローというか、もう立派な大人の域に見えてきますね。

そして、何気ないやりとりの中で露わになる、一見ごく普通の人をしているお姉さんが抱えている、過去からの心の傷と危うさ…

安定感のある語りがしっかり伝えるドラマも楽しめる良品☆

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