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「罪と罰。3」 へのレビュー

オススメ! 捨てられない心。更に危険なルートへ

2023年12月31日   TUKUNE さん

このレビューは参考になった x 37人

相手への執着は本物でも、他者の心に近づき寄り添う術を何も知らずに生きてきた男。実家の強い抑圧に縛られ、兄へのインモラルな恋情に依存的に縋りついている少女。
サイコスリラーの心理劇を思わせる、交わらぬ平行線の二人の物語。
これからも継続予定の長編の第三話です。

政略結婚の、逃げ場の無い二人だけの密室の中、行為は日を追うごとに過激さを増していきますが、心の距離が近づいていない事は、男自身も感じています。しかし彼は他に術を知らないのでした。

執拗な開発の末、前回で初挿入に至った二人。
少女はもう、深い挿入で絶頂感を得られるまでに開発されているのですが、まだ性の欲求は自分のものにはなっていません。

愛撫に、挿入に、性感を刺激される肉体に戸惑う少女。男に抑えられたいたいけな肢体と、望まぬ苦行を耐える心の声とが絡み合う、痛ましくもエロティックな場面です。

義務として拒まないSEX、そこにある筈の親愛が伴わない空っぽの所作も、男は感じ取ってはいるのですが。

少女も、この結婚に身を捧げる覚悟で、頭では夫を「正しく好きになろう」と思っていたりはするのですが、まだまだ成長過程の彼女は、生身の人間の、ランダムでムラのある行動と反応に戸惑うばかりです。

狎れた親愛の前提が無ければ、体液の交換も、出先からのWEBカメラを使ったリモートセックスも、潔癖な環境で育った少女には、心理的な抵抗感が先立ってしまいます。

上っ面の気遣いで維持されている空間に走る、ひび割れの予感。
事は、ここからどこへ向かうのでしょう?

最後には、少女は心を捨てて従順に、男の欲望の形に自分が合わせればいいのではと思い極めて、激しい行為に没入してみるですが…

翌日、彼女が顔を埋めて嗅いでいるのは、兄のワイシャツです。

今回は、長編作品の、嵐の前の予兆の一場☆ お話は更に続きます。
ここまで拗れた二人の、その向かう先は?
これからの物語の果敢な挑戦にも期待です☆

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