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「Porker Face〜異世界の王太子との政略結婚。でも離婚したい〜【前編】」 へのレビュー

オススメ! 微笑みの仮面

2023年08月08日   TUKUNE さん

このレビューは参考になった x 39人

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前世では自分の意志を言葉に出せず、人に言われるがままの人生だったと言うヒロイン。転生先の世界でも、家の都合に従順に、王子と政略結婚させられています。それを上手く離婚に持ち込んで、改めて他人に左右されない自分の人生を歩みたいと彼女は願っているのですが…

表紙の、不透明水彩の筆のタッチを思わせる彩色、本編の、セピアと紺の着彩も、画面に独自の快い雰囲気を拡げます。

物語は、完全ヒロイン視点のモノローグで進んでいきますが、これが曲者。
ポイントは、ヒロイン視点(の思い込み)で語られる他者の思惑と、描写と語りの順番で察せられる実際のそれとのズレにあります。
「自分にだけ冷たい表情を向ける、この結婚に関心が無い王子」も、読み手サイドからはどうでしょう? ヒロインは昔の事でさらっと済ませてますが、王子とのなれそめが結構劇的なシチュのようですし。

結婚初夜でも視点固定のナレーションが続いていて、とても刻明な行為の実況になっています☆
男は逞しく、女はすらりとなだらかなボディーライン、美男美女の、手順を尽くした美しくも激しい行為。

「自分は前世の分大人だから」「この行為には気持ちが無いから」閨も余裕で捌けるはずが、王子の愛撫に初心で抑えられない反応を曝してしまう羞恥、身体に喰い入ってくる激しい性感への戸惑い、それらが、ヒロイン自身のモノローグで綴られます。他者が自分の裡に入ってくる事への怖れなのか、絆すような王子の視線と向き合えず、自らバックの体位で身体を差し出す女…う~ん重症☆

頑なに心を閉ざし、離婚の予定を押し進めようとする彼女ですが、これで上手くいくはずもなく…王子の忍耐もそろそろ限界のようです☆

さて、仮面の笑顔で他者を拒絶していたのは誰なのか?
どこかで、そうなった訳と、そこからの解放と本当の他者と向き合うヒロインが見られる事を期待したいです。
前世の抑圧を曳きずって幸せを見失っている女子の道程。佳品☆

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