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「橙の花が枯れる日」 へのレビュー

さよならお兄ちゃん

2024年09月01日   竜殺し さん

このレビューは参考になった x 0人

聴覚以外全部なくした状態でお兄ちゃんの恨み言とも哀惜ともつかない言葉を聞く。シチュエーションボイスという作品形態にこれ以上ないくらいマッチした設定で、まずここから発想の勝利だと思います。
Flat.さんのぽつぽつと言葉を落とすような喋り方も超良いです。あきお兄ちゃんの声はこの人以外ありえませんぞ 疲れきったお兄ちゃんの痩せた背中に浮かぶ骨とかちょっとぱさついた髪が顔に落とす影とかが鮮明に浮かんでうっとりするまである お兄ちゃん栄養とってくれ
どうせ聞こえてないよね、という前提で放たれる言葉はだいぶ辛辣ですが(妹が兄に強いた負担を考えれば優しい方かも)、なんというか根底にある家族愛の残りカスみたいなものを感じて切ないです。そもそも仕事あるのにお見舞い来てくれてる時点でだいぶ愛かもしれない

エンドについて 聞いていて救われる感じがするのはaエンドですが、繰り返し聞いてしまうのはbエンドです
「苦しくないところに行きなさい」というセリフが本当に好きです お前一人で、と続くので見放された感じがありますが、でもこれは見放した上での最上級の手向けなのだと思います。声色がごく優しいのもいい こちらの全てを諦めた人ってすごく優しくしてくれるんですよね もう何も期待してないから

聞いていて苦しく、また、聞いたあとは空洞になってしまう気持ちのする作品ですが、もうすでに何回も繰り返し聞いています。きっとこれからもたくさん聞くと思います。制作してくれてありがとうございました。

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