きょうだいものは、フィクションであっても、倫理に反するので、大体一悶着あって拗れたりしちゃいがちで、この作品も例に漏れず、なのですが
かなり重い話でした。
親子に関する暗い表現(言葉足らずで申し訳ない)があるので、親に対するトラウマがあったり、そういうのが苦手な方は注意が必要です(それもフレーバーになって世界へ引っ張られるのも事実ですが)
しんどかったです...
好きになって辛くなるのは、当然なんですけど、この作品は更に辛いです...
お兄ちゃんが自身の感情を吐露したシーンはもう涙なしには聴けません
この手のドラマCDでこんなに大泣きしてしまうことは、はじめてで、自分でも驚いています
声を担当された声優さんの演技や、その言葉を並べるシナリオの秀逸さに、没入感を与えられて、ただただ、のめり込むしかなかったです
以下、内容に触れます
大好きな妹と体を重ねる、顔を赤くして恥じらう姿を見て、夢じゃないだろうか、と手をつねってた、というセリフがあって、一見、些細なことに思えるかもしれないけれど、お兄ちゃんの数少ない子どものような純真さが見られて、あまりにも、心苦しい
このセリフめちゃくちゃ良い
夢じゃないか確認するお兄ちゃん愛しい、だけど、辛い.
この二律背反を得られるのはこの作品の魅力です
『自分は汚れているから、純粋無垢な妹に触れる資格なんてない』
『妹がただ幸せになってくれればいい』
などの妹を想う理性的な思考は頭にあって、どう考えても、至高の愛で、無償の愛で、本当に妹のことを愛してる、んだな、と狂気の合間から感じられてよかったです
抑えつけようとして、自らを殺めようとしてしまう辺り、妹に依存しているのも痛いほどわかって、彼の業に触れた後は、もう、一緒に地獄へ堕ちたいなとしか思えませんでした
一人暮らししたお兄ちゃんの部屋に入る妹を制止するために、「親しき仲にも礼儀あり」と言ってて笑いました
めちゃくちゃすきです