3mmmさんのレビュー一覧

シリーズ全話を拝聴済みです。

相変わらず、タイトルコールがめちゃくちゃセクシーでかっこいい。
これを聞きたいがために、冒頭だけ聞いてる時がありますw

今回は同僚同士のストーリーですが、「女性」であることに極端な拒否感があるヒロイン。
戦闘力も高く、キースとの息もピッタリですが、あるアクシデントを境に状況がおかしくなっていきます。

ヒロインの意地とキースの事情も絡まり合い、前作の主人公・シェパード少佐からお叱りを受けるほど、バディとしての連携が取れなくなる。

それにしても、キースの発情タイミングが悪いですよね(苦笑)
「アインへリアル」が持つ「発情」は本当に罪作りで、「いま、気持ちを伝えないといけない」という時に限って発動する。
また、発情時の興奮状態が獣そのもので非常に激しいですが、「処理」と「愛情」の違いははっきりわかり、その点では安心です。

結局は互いのわだかまりを解いて、「恋人でバディ」という関係性を築き上げるのですが、謎は残りますよね。
彼らが見つけた「アレ」です。

本作は単話でも楽しめると思うのですが、Chapter1での事件がさらっと言及されるので、できればシリーズで聴くことをお勧めします。

低音が魅力のテトラポットさんですが、個人的にこの作品の声色が一番好きです。

とある王国でクーデターが勃発し、父親が王の側近であったヒロインも、その煽りを受けて無実の罪で投獄されます。

投獄されたのは海に囲まれた監獄島。
看守は自らの欲望の捌け口とするため、囚人の中から「お気に入り」を選ぶことができる、いわく付きの牢獄。
なかなか狂った設定ですw

ヒロインは無実を主張しますが、当然受け入れられるわけもなく。
マリウスという看守の「お気に入り」にされてしまい、色々と教え込まれることになります。

とはいえ、マリウスは優しい。
乱暴なことを言いつつも、扱いは優しいですし、そこはかとなく好意を感じます。

実際、マリウスはただの看守ではなかったのですが、「え?ここでヒロインと別れて、二度と会わないつもりなの?」と思うほど、変に根が真面目なんですよね。真面目すぎて拗らせてしまっている。
ヒロインとも面識があり、そのささやかな出来事以来、彼女のことを好きだった様子なのに。
それなのに二度と合わないつもりなのか??と壁である私はドキドキしちゃいました。
塔の王女様がグッジョブな命令を出さなければ、あやうく「やり逃げ男」の称号を贈呈するところですよ(苦笑)

最終的にマリウスが本心を話してくれるのですが、切なくて心に来ること間違いなしです。

特典音源の「夜のことば」は幕間の話になりますが、しっとりと愛情を感じさせるストーリーでお気に入りです。

シリーズ最終巻は「祟り婚」の起源ということで、まさしく「終わりの始まり」。

冬のヒロインは、幼かった主人公の面倒を見てくれた慕わしい姉。
その姉は、幸四郎さんが大人になり、裕福な実業家となって生家に戻ってきた時には、近親者による虐待で精神が完全に壊れてしまっていた様子。
幼い頃の姉の様子がわからないのではっきりしませんが、元々精神が幼い女性だったのかもしれません。
ただ、虐待によって、あやふやな精神になってしまったことは間違いなさそう。

心から姉を慕っていた幸四郎さんは、その状況を作り出した父親や兄たちに激怒するわけですが、彼自身もまた、道を踏み外すことになります。

姉への愛は思慕から昏い情愛へ。

一度は拒むものの、愛の奈落へ堕ちていく幸四郎さん。
その愛は罪であり、許されないことがわかっているので、せめて現世では幸せになりたい。
彼の心情は理解できますが、春・夏・秋の主人公とヒロインの末路を考えると何ともいえない気持ちになります。

始まりの主人公が現世での幸福を願ったがために、その子孫も狂わされる。

「人を呪わば穴二つ」と言いますが、彼の場合は自身の墓穴どころか、呪われた谷家の墓穴を掘ったと言うことなんでしょうね。

各話に同梱されている家系図を確認するとわかりますが、幸四郎さんの娘が「春の章」のヒロインの母親にあたります。
「春の章」で生家を追い出された母親もまた、昏い出生の秘密をかかえていたようです。

誰も彼も幸せになれない。

何ともやるせない話ですが、ストーリーとしては非常に面白かったです。

私が聞いたことがある、CVの八神さんの出演作は「かわいらしい」というより「クール」なパターンが多かったのですが、今回は「裏垢」「陰キャ」「嫉妬」の3種類が楽しめる、どっかのキャラメルの「1粒で2度美味しい」どころか「3度美味しい」作品でしたw

マッチョ×高身長×巨根なのに、お顔は可愛い系童顔で声帯は低音イケボときている。
まさか、その相手が、かつてのひ弱な同級生だったとは想像もつかないですよねw

「巨根」という点で「どうなることやら」と思っていたのですが、とにかくKeyくん。は可愛い。
可愛いけどえっちすぎて、めっちゃカロリー使いましたw

オメガバースというすごい世界観がある…というのは知ってるのですが、いわゆる「オメガバースもの」というのは、Ω側の苦悩がクローズアップされている話が多いですよね。
本作の場合、Ωは出てこないけど「αの苦悩」がクローズアップされています。

αの樹くんは「第二の性」に関係なく優しくしてくれたヒロインを好きになって告白するんですが、ヒロインちゃんはトラウマから「αとはお付き合いできない」と振ってしまいます。

そこから怒涛の展開が始まるのですが、とにかくヒロインちゃんへの執着が凄まじい。
優しそうな樹くんが、執着に狂わされている姿はものすごく切ない。

βとは「運命の番」になれないと思うのですが、それでも首筋を噛むし、「消えかけたら、また噛んであげる」と言うぐらいには執着している。

樹くんもヒロインちゃんも双方に気の毒で、どうにかならないのかなあ…って思ってしまいました。

後日談がどうなっちゃうのか非常に気になる。できれば続編が欲しいな。

兄の彼女を好きになって、NTRを計画する彼の弟…なかなか策士ですよね。

薫くん、心からヒロインを慕っています。
傷心のヒロインちゃんを気にかけて、料理を作って一緒に食べてくれるし、本当に優しくしてくれる。
正直、序盤の雰囲気が永遠に続いて欲しいと思っちゃいました。

ただ、好意は純粋でも、やっていることが本当にタチが悪いw

お金を使って兄の浮気現場を作っちゃうし、それをヒロインに目撃させる。
嵌められたお兄ちゃんには「彼女との仲を取り持ってあげるから」と言いつつ、ヒロインとの交流を深めて、完全に別れさせようと二枚舌戦法を使っていたり。
ただ、ヒロインは、(元)彼氏に「浮気疑惑」を持っていたようなので、今回は完全な濡れ衣でも、別のところで浮気をしていたのかもしれませんが…。

ひょんなところから計画がばれて、ヒロインに強く責められるんですが、そこでの薫くんの反応がいちいち切ない。
「嘘の一つや二つ付いたことあるだろ?どうして俺だけダメなの?」と訴えてみたり、「俺にはアンタしかいないのに」って泣いて縋ったり。

CVの猿飛総司さんの「泣きながら、訴えて縋り付く」演技が、妙に心に来るんですよね。というか、猿飛さんのこの演技が性癖に突き刺さることを初めて思い知らされましたw

裕福な家庭の子息とはいえ、家族から微妙な扱いをされてきた薫くんの身の上は気の毒なところもあるので、「ヒロインちゃん、許してあげて」と思わず呼びかけたかった壁な私です。

結局、心は無理だから身体から…っていうことになっちゃうんですが、どこまでも心が平行線のままで、重なる気配がないんですよね。
特典はお薬を使うので、ますます切ないことになってますし。

Vol.2は「ずるくて怖い恋」だったんですが、Vol.1は「心が重ならない切ない恋」感いっぱいで、タチが悪いと思いつつも、とても切ない終わり方でした。

シリーズ中、最も悲しい話です。

都会での生活に疲れ、渓流釣りのために山村を訪れたところ、そこで運命の女性に出会う…普通ならば、心ときめかせるシチュエーションですよね。
秋という人恋しい季節でもあり、出会ってすぐに惹かれあい、二人は恋人同士になります。

中盤くらいまでは甘い時間が流れ、二人は本当に幸せそうなのですが、結婚の許しを得るために、ヒロインの母親を訪ねたところで暗転します。

ここで「夏の章」からの伏線が回収されることになるのですが、「夏の章」の主人公は本当に罪作り…いや、「たたり婚」が罪作りというべきか。

前章の主人公は、息子である貴文さんに「運命の女」について話したことがあるらしいので、心は「夏の章」のヒロインのところにずっとあったようです。
しかし、母親となった「夏の章」のヒロインの反応を見ていると、「たたり婚」を忌々しいものと認識している雰囲気が強いです。なんとしても阻止しようとする姿が見えてきます。
男性は「運命の女」と愛おしさを隠せず、女性は「忌々しい呪い」として避けようとする。
ずいぶん違うものだなと思いました。

「その愛」は、愛ゆえなのか、呪いゆえなのか…

貴文さんとヒロインは真実を知り、苦悩することになります。そして、苦悩の先に選んだ最後がまた悲しい。

彼らが純愛を貫くには、呪いごと「閉じ」ざるを得なかったのだと思いますが、それゆえに一層悲しい結末だと思います。

「夏の章」はどんでん返しがあるので、ネタバレせずに聞くのがおすすめです。

「春の章」で主役だった正和さんは既に亡く、本作のヒロインと母親である「春の章」のヒロインが登場します。
「春の章」との連動特典「穀雨の章 失せ人」は、この2つの作品のネタバレになるため、「春の章」「夏の章」を聴取した後に聞いた方が良いです。

「夏の章」のヒロインの祝言が数日後に迫ったところからお話が始まります。
谷家の周辺では、いまだに夜這いがあるようで、婚約者が忍んできます。

CVの刃琉さんの作品は初めて拝聴するのですが、これがもう、エロス全開でえっちすぎます。
夏の夜の秘め事なので、情景としては美しいのですが、夜を重ねるたびに行為が激しくなっていきます。
婚約者は優しい声色で、ヒロインへの深い愛情も感じるのですが、不穏な雰囲気は拭いきれません。

時間の経過とともに伏線が回収されていきますが、最終トラックでは驚愕してしまいました。
「ええええーーーーーー」って感じです。
当事者のヒロインも大混乱でしょうね。

連動特典の「穀雨の章 失せ人・獣の欲望」は、本編を聞いた後だと非常に切ないです。

シリーズ全編ともにインモラルな話なのですが、「夏の章」は非常に幻想的でエロス全開な話です。

これはネタバレせずに聞いた方がいいお話です。

ファーストシーズンのトリとしてふさわしいお話なのですが、他の作品が、ほわほわ・あまあまの乙女ゲーム調に対し、本作はパンチが効いています。
相当の激しさでゆさぶりをかけてくるので、かなりの衝撃です。

前3作品がハチミツのような甘さなら、李志亜のエピソードは苦悩を伴うビタースイート。
切なすぎるラストですが、インモラルなエピソードでもあるので、苦手な人は要注意です。

もちろん、王子様はヒロインちゃん、お姫様はヨハンくんですw
手錠をかけられたビジュアルが若干不穏ですが、ストーリーはかわいい恋のお話です。

前作までと違い、不穏な家業を生業とする家庭出身のヨハンくん。
人との関わりを極力避けるのは、自分に差し向けられた敵対者の攻撃から周囲の人を守るため。
当初からそっけない態度を取られますが、他人を思いやることのできる心の優しい青年です。

そんな状態のため、ストーリーが停滞するかと思いきや。
ヒロインの押しが強く、お話がとんとん進みます。
パフェを食べるシーンなんて、最高に可愛いですw

前2作品のキング候補と違い、ウブなヨハンくん。
両思いになっても、なかなか手を出しません。
そのため、ビジュアルのように手錠をかけられる羽目になるのですが、いつの間にかヒロインとボディーガードが仲良くなっているのが笑えますw

ヨハンの回想から、冒頭でヒロインのことを「あんたは王子だから」と言っていた理由がわかります。
ただ、この回想。微笑ましい思い出だけじゃないんですよ。
実は、次作の伏線になっています。

また、行方不明になった前キングのことも出てきますが、なんとも切ない話なんです。
クラウンを愛したがゆえに、彼女を守るためにキングになったのだとヨハンは言っていましたが、そうまでしたのに前キングは失踪してしまった。

明るい恋のお話だったシリーズに、急激に影が落ちていきます。