私はバース系の作品はどちらかと言えば好みではないのですが、こちらの作品でのケーキバースは大変楽しむことができました。
元々マッドサイエンティストは性癖ですが、三日月さんは自身の味覚障害を治すために科学者の道を選ぶほど、真面目に障害と向き合っているだけの御方です。ですが、その長い年月すら吹き飛ぶくらいの勢いでケーキのヒロインちゃんに夢中になってくれるところが大変良かったです。結果的には、実はマッドな部分もあるサイエンティストでした。自分でもその狂った一面に混乱しててちょっと可愛い(怖かった)。
九財さんの怪演がとにかく素晴らしかったです。ケーキを前に理性を失ってしまった三日月さんは、瞬間的に敬語口調から命令口調になり、怯えて暴れるヒロインちゃんを暴力で押さえつけ、自身の欲望を満たすだけに夢中になってしまいます。ヒロインちゃんも気持ち良くなってほしいという配慮も途中まではあったんです(でもそもそも本番はしないって言ってたのに…)。記憶が無くなるほど理性が飛ぶってこんな感じかと納得させられました。普段の理性的な彼と、理性吹き飛んだ彼のギャップの高低差がえぐいです。どんどん高度を上げる飛行機みたいに狂っていきます。最高。
ほぼ恋愛要素がない2人が今後どうなるのか気になるので、続編が待たれます。