シナリオ特化型とでもいうのか、本当にお話がうまくて最初から最後まで『かみさま』の物語に引き込まれっぱなしでした。
読者であり作家の如月 弥生に生のほとんどを依存してるようなヒロインと、とある事件がきっかけで書けなくなってしまった小説家・如月 弥生こと上遠野 如月の二人だけの世界でありながら、自分とは生きるとはとずっと考えてしまう作品。
個人的には人間賛歌であり、最後はハッピーエンドとは言い切れないまでも前を向いて歩いていくような感覚でした。
なにより如月さんの独白が切なくて胸が締め付けられる。
SEの使い方も物語の深みを増していて、時計の音など随所にこだわりを感じられます。
年齢制限の部分はスローでゆったりした優しい雰囲気で進んでいくんですけど、えっちです。
おねえさんごっこなので如月さんの話し方が少し女性っぽく、それも相まって若干の背徳感があります。
物凄く甘やかしてくれるので作品全体としてみるとシリアスなんですがここは甘々で、これで恋人ではないのか……となります。
言語化が難しい作品ではあるのですが、だからこそ聞いて感じてほしい。
この感覚はARSさんだから為せる技なのかなぁと思います。
創作をしてる方、創作が好きな方にはぜひ一度聞いていただきたい作品でした。