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Círculo pessoa(s) | ロールシャッハテストB |
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Lançamento | 01/12/2022 |
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Autor | まさみ |
Ilustração | TEM |
Idade |
Todas as idades
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Formato do produto | |
Formato do arquivo | |
Línguas disponíveis | |
Número de páginas | 12 |
Gênero | |
Tamanho do arquivo |
278,97KB
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- (147.21KB)
Conteúdo do produto
あらすじ
「銃口の中には天使と悪魔が住んでいる。どちらが見えるかで死後行く場所がわかる」
マフィア専属の殺し屋として仕事をこなす主人公は、会計士の家にいた幼い少年を殺せず、自分の息子として育てることに。
彼の父親もまた殺し屋であり、「銃口の中に天使と悪魔が住んでいる」と馬鹿げたことを言ってはばからなかった。
主人公は息子に銃を仕込み、自分の後継者として育て上げるのだが……。
義理の親子な師弟が紡ぐヒューマンストーリー短編
表紙:TEM(@TEMdesu_)様
プロローグ
銃口の中には天使か悪魔が住んでいる。
どちらが見えるかで死後行く場所がわかる。
今回の標的は若い夫婦。
父親は組織専属の会計士だが横領を働いていたのが明るみにでた。
依頼内容《オーダー》は一家皆殺し、見せしめもかねている。
「撃たないでくれ!」
「お願い、子供だけは」
無視して引鉄を引いた。
一瞬だった。
全身で命乞いする夫婦の脳天に38口径の風穴があく。リボルバー銃の銃口から手向けの硝煙が上がる。
自らに訪れた突然の死が信じられず、愕然と目を剥いたまま、夫婦はゆっくりと後ろに倒れていく。
傍らに跪き、首に手を添えて脈をとる。両方とも事切れていた。
さて、どうしたものか。
気が重い後始末が残っている。
「あ……ぁあ……」
両親の間で震える幼い少年。
「母さん、父さん」
物言わぬ母親に縋り付き、息絶えた父親を揺さぶり、舌足らずに起きて起きてとせがむ。
床を踏んで最後の標的に近付く。
片手のリボルバー銃を持ち上げる。少年の顔に銃口を狙い定め、引鉄に指をかける。
しかし、少年は思いがけぬ反応をした。
瞬きもせず食い入るように銃口を凝視し、笑ったのだ。
紛れもない安堵の微笑み。
諦観でも達観でもない、救われた表情。
銃口の中に何を見たのか。
気が変わった。
銃を下ろして懐にしまい、改めて正面に跪く。
「一緒にくるか」
私には子供がいない。妻は妊娠が難しい体だ。しかし子供を欲しがっている。
「衣食住に不自由はさせない。成人するまで守り育てる」
ただの気まぐれというには大胆なことをしている。一歩間違えば身を滅ぼすとわかっているのに、口は止まらない。
夫婦には他に身寄りがない。
少年は孤児院に送られる。
「お前が1人でも生きていけるように鍛え上げる」
「父さんと母さんを殺したくせに」
「仕事なんでね」
「お金欲しさに殺したの」
「働かなければ食べていけない。殺しは私の稼業だ」
あどけない顔に純粋な憎悪が爆ぜる。
「決めるのはお前だ。一緒に来るか、ここで死ぬか」
両親の後追いを望むならそれもいい。幼子に酷な選択を迫っている自覚はあるが、他にどうしようもない。
見込み違いか。
密かな落胆を胸に秘め、俯いたきりの脳天に銃を擬す。
次の瞬間、毅然と顔を上げて彼は頷いた。
殺意と復讐心が滾る目で、私を睨み付けて。
「なんていうんだ」
最愛の父母に授かった名前を、重苦しく吐き出す。音楽のような響き。
私は陶然と目を閉じて、率直な感想を述べた。
「いい名前だな」
終始少年の目は潤んでいたが、涙は一粒も落とさなかった。
そして彼は、私の息子になった。