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普通であることがどういうことか、とよく考えてしまう。
これは我々の世では、普通はしばしば美徳として扱われる。

程度の差こそあれ歪みというのは誰しも抱えている物だ。
その上で、表面上はうまく世の中と付き合っている。
もちろん好きに振る舞うことができれば楽だ。しかし衝突が起こる。
だから周りとの和を保つための次善の策として自分を繕って抑える。
それを自然と行っている。普通に関しての、私なりの解釈だ。

この物語で彼女が私に向ける気持ちは、あくまで純粋だ。
度を越した純粋さであり、それが私の生活に波及している。
波及は少しずつ加速している。倒錯は止められない。
状況が示しているように、彼女は普通ではないだろう。
しかしその普通でなさの源泉は悪意ではない。
誰が純粋さを否定できるだろうか。

人は道から外れることは珍しくなく
それが悪意によるものとは限らず、作品は暗にそのことを示唆している。