白面神官的鑒賞一覽

正直言って、勝つこと自体は織り込み済みでございました。

しかし、よもやこれほどまでにあっけなく勝負がつくとは全くの想定外でございました。

最強の名で呼ばれたギルドマスターの力も『平穏』の二の字への渇望がひしひしと込められたハンマーの一撃を受け止めるには至らず、本当にあっけなく決着はついてしまうのでございました。

かくして時すら止める能力の持ち主にあっさりと勝利して見せたヒロイン。

一応書いておきますが、流石に馬鹿力で破ったわけではございません。

念願の永久不変の受付嬢ライフをその手で勝ち取ったばかりの彼女に、あの空気の読めない男が空気の読めない発言をします。

たった今死にそうな目にあったというのに、この男は本当に彼女を怒らせるためだけの存在だと認識いさせられます。

勝利の喜びに浸る間すらなく、残業地獄の始まりを告げられるヒロインにとっては無常極まりない内容となっております。

それにしても、よもやあのクレーマーの口から出ていた話が真実になるとは・・・

どうでもいいですが、今回の立ち絵見てあえてどことは申しませんが、彼女は意外と『大きかった』ということに気づかされました。

ギルドマスターから提示された報酬、それは職権を利用して受付嬢を増員し、ヒロインの残業を減らすというものでございました。

名声よりも、大金よりも、定時帰りを心から望む彼女にとってそれはまさに最高の報酬と呼ぶにふさわしいものと言えるでしょう。

そしてなぜ受付嬢の彼女がデタラメな力を得たのか、その経緯の一端も語られます。

大立ち回りの末に素性がばれて、ギルドマスターに闘技場へと連行されたヒロイン。

しかしパンドラの箱の中に希望が残っていたように、クビをも覚悟した彼女にまさかの大チャンスが訪れる・・・というエピソードになっております。

勿論一もにもなくとばかりに半身とも言うべきハンマーを手にして彼女は飛びつきます。

・・・闘技場、壊れないといいですね。

ヒロインの裏の顔がいつの間に女子の間で大人気になっていた・・・という内容になっております。

よもやあんなハンマーで暴れまわる怪力の持ち主が同性とは露ほども思わないのでしょう。当然と言えば当然でございます。

しかしそれ以上に彼女を驚嘆させる事態が起こります。

それが何かは是非お手に取ってお確かめくださいませ。

ヒロインが貴重なアイテムを書類の重石代わりに使用していたという事実が判明する回・・・となっております。

まさに豚に真珠、猫に小判でございます。

ところがそんな重石が何やら新たな展開の訪れを告げる事態に。

もっとも、ヒロインの方はそんなことはどこ吹く風といったところでございます。
彼女にとっては定時で帰ることに勝るものなどないのでしょう。

文中に登場する度にその空気の読めなさでヒロインを怒らせているといっても過言ではなかった彼が、初めて彼女にいい意味での驚きを与えた・・・というエピソードになっております。

でも結局激怒する羽目になりました。

もうここまでくると彼は彼女をひたすら怒らせるためにこの世に生を受けた・・・そうとしか思えないレベルでございます。

ギルドマスターという名の史上最大の危機によって連行される羽目になってしまったヒロイン。
冒険者が束になってもかなわない化け物にも動じなかった彼女が顔を真っ青にし、死刑囚の気分を味わう事態に。
彼女自身、いずれバレることは想定内ではあったみたいですが。

この先、(おそらく)史上最強の受付嬢がどのようになるのか楽しみでございますね。

マイホームという名の聖域を壊され、破壊神と化したヒロインの前に敵は脆くも崩れ去ります。

こんな状態でも最後の一線を守る程度の理性は残っているようでございます。

しかし、敵を倒したところで家は元に戻らず・・・ここで新しい家でも用意するとでも言うのかと思いきや、徹底的に空気の読めない男はまたまたまたやらかしてくれます。